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正直者が損をする仕組み

2017年1月13日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

昨年末から、誤った医療情報が大量に掲載された「WELQ問題」が話題になりましたが、2012年1月12日のヤフーニュースで、「医療メディアはもうからない?正しい情報が検索で表れない理由」という記事があげられ、検索サイトの限界が指摘されていました。

この記事であげられている理由は以下のようなものです。

「google検索におけるサイトの順位付けは、その分野の専門家によって行われるわけでなく、人間ですらないコンピューターが行うわけで、その内容の真偽までは判断して順位付けすることは不可能なのです。もちろん、googleは日々その検索精度を上げるべく努力はしているのですが、WELQは、その改善の隙を突き、短期間で記事を大量に配信したことで、検索の上位に上がるようになったと考えられます。つまり、googleが情報の中身よりもどうしてもSEOの力のほうを評価してしまう仕組みを持っている以上、サイトをできるだけ多くの人の目に触れさせたいという目的がある場合には、その運営者は、コンテンツの質の充実よりも、検索順位をあげるSEOに努力をささげる仕組みができてしまうのです。」

この問題は、医療の分野が命にかかわる分野であるために、ここまでクローズアップされますが、実はあらゆる分野においても起こっている問題です。

そして、それは、インターネット検索だけの問題ではなく、広告を含むありとあらゆるコミュニケーションにおいて起こっていることだと思います。

例えば、私のこのブログ、特に英語に関する記事である「日本人と英語」については、テーマの設定から内容の充実までかなりの努力をして書いているつもりです。

その努力は当然にして、SEOとは無関係に内容の信頼性の充実に対してのもので、その結果、専門的な文言が出てきますし、その背景についても説明するために長文になることがしばしばです。

ブログだけでなく、ウェブサイトの一つ一つのページについても、普通の英会話学校のサイトと比べると、文字が非常に多く、取扱説明書のような感じを受ける方も多いと思います。

これらについて、うちのウェブサイトをできるだけ多くの「英語」に興味を持つ人の目に触れさせることが目的であれば、もっと気軽に、もっとポップな内容にするべきだという意見を、ウェブ関係に詳しい方からいただくことがあります。

特に最近は、PCからスマホデバイスへのシフトが著しいのでその傾向はより一層強くなっています。

また、ウェブだけでなく、雑誌などに載せる広告についても、かつては同じように長文記事広告を多用していましたので、端的にキャッチ―な言葉で済ませるべきだというような指摘をうけることが多くありました。

今では、ウェブサイトにて「お堅さ」を貫いていますので、そこへの誘導広告として、漫画を活用したりしながら、キャッチ―を意識するようになりましたが、それでも私としては不本意ではあります。

私が、このことにこだわるのは、この「国内留学」という分野が、一般的な「英会話」という分野の中のかなり「狭い・濃い」部分であるため、万人が利用することを想定していないサービスであるため、あえて、そのような「お堅さ」を評価してくださる人にこそ届いてほしいと思うからでもあります。

ですが、本来であれば、そうでない一般的な商品・サービスにおいても、「読みやすさ・手軽さ」よりも、「詳しさ・論理性」というものを重視する消費社会であってほしいと思います。

ネット上の情報が「玉石混交」であるという性質自体は、いかにgoogleの継続的な修正努力があったとしてもそう簡単に解決される問題ではないと思います。

そんな時代だからこそ、我々は、情報を発信する側としては、「正直者」としてふるまい、受け取る側としては、その「正直者」からの情報を探し当てられるリテラシーを身に付けることが必要だと強く思います。

情報の授受において「正直者が損をする仕組み」を排除する努力は、googleだけがするのではなく、我々この社会を構成する全員によってなされなければなりません。

 

 

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