
目のつけどころ
2017年4月16日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日出たばかりの新刊「目のつけどころ ものの考え方」を読みました。
本書は、世界の第一線で活躍できる人はいったい何がすごいのか?その神髄を一冊にまとめたものです。
著者は早稲田塾の創業者、相川秀希氏で、彼がこれまでに付き合ってきた世界一流の人材を観察することで、彼らを一流の人材足らしめているものの共通部分を抽出しています。
その共通部分を簡単に言ってしまうと「想定外の事態(土壇場)に強いこと」ということになりそうです。
つまり、「余裕」を持っているということ。
本書は、この余裕を持つためのトレーニングテキストだとも言っています。
当然にして、そんなテキストを読んで、簡単にトレーニングを積み、世界一流の人材になることができれば苦労はないわけですが、その中でも「あっ、これなら自分でも」と思えるものもありましたので、今回はその一つをご紹介したいと思います。
著者は、かつてアップル社とipodの仕入れについて交渉した際、どんなに大量に仕入れようと頑張っても、アップルが3%の値引きにしか応じてくれなかったことを引き合いに出して、「自分にしかできないことを形にすれば値付けの親になれる」という真理について説明しています。
アップルはなぜ自社製品の価格をほとんど値引きすることなくやっていけるのか、それは常にマーケットに新機軸を打ち出しているからです。
つまり、市場に比較対象が存在していないので値引きの基準自体が存在しえないということです。
アップル社は常にイノベーションを起こし、見事に人々の期待に応え、あるいは期待を上回るようなことをやり続けることによって、ブランドが確立されることによって「値付けの親」としての立場を維持できるのです。
この事例を出すことによって「自分にしかできないことを形にする」という視点が重要だからあなたもそうしなさいと言われても、、、となるのは当然ですが、安心してください、同時に次のような視点も提示してくれています。
「世の中にはこうじゃなければダメ!ということは何もない」という視点です。
つまり、出会ったものがいいところ、最後に行きついたところが「ご縁」のあるところであると、どんな結果が待っていようとそれを肯定できることが大切だということを理解すべきということ。
先ほどのように、「市場に比較対象が存在しない」ようなぶっちぎりの商品を作ることを考えてしまうと、諦めてしまいがちですが、そうではなく、「自分にしかできないことを形にする」というのは、他人との比較をすることをやめることと捉えると、なんだか急に気が楽になったような気がしました。
とかく人は、「偏差値」的な発想をしてしまいます。
私たちは、土俵、市場、舞台はたった一つしか存在せず、常に自分と他人とを同一の基準で比べることに慣れきってしまっています。
ですが、土俵、市場、舞台の大きさや種類など、それこそ人の数ほどあるわけです。
その多くの選択肢から、自分にとってとっつきやすいものを見つけ、それを極めたり、またそれ以外のものと組み合わせたりすることで、自分だけのものを作ることができます。
もちろん、最初は小さいかもしれないし、魅力的に見えず、人から見向きもされないかもしれませんが、人と比べることをやめて取り組み続ければ、それがいつの間にか、人を引き付けるだけの魅力をもった「自分にしかできないこと」ことになるかもしれません。
「余裕」とは「人と比べないこと」と見つけたり。
そう考えると、なんだか勇気が湧いてきたような気がします。