運を支配する
2015年11月4日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。 前回、「憂鬱でなければ仕事じゃない」というサイバーエージェントの藤田社長の幻冬舎の見城社長との共著をご紹介しましたが、今回は、その藤田社長が、麻雀界で裏プロとしてデビューしてから20年間無敗で、「雀鬼」の異名を持つ桜井章一氏との共著、「運を支配する」をご紹介します。
前回の見城社長の本も本書も、「自らを追い込むストイックさ」の重要性を説くという点で非常に似ています。しかしながら、前者では、その重要性を「逆説的」に理解させられたという感覚を持ちましたが、本書では、それが真理であるということを直接的に明示してくれているように感じました。 そのような明示の一例を引用したいと思います。
「ここに順風のカードが10枚、逆風のカードが10枚あるとする。私なら、この時順風のカードを2,3枚、逆風のカードを7,8枚選ぶと思う。なぜなら、逆風のほうが自分の可能性を大きく広げるきっかけを間違いなく与えてくれるし、実際逆風のほうが順風より遠いところに自分を飛ばしてくれると思っているからだ。」
ここまでであれば、見城社長と同様に、その重要性を「逆説的に」教えてくれるものだと思います。それでも、その重要性の理解は十分できると思います。しかし、本書では次のような説明が続くのです。
「そのことを如実に教えてくれるのは、スキーのジャンプ競技だ。スキージャンプにおいて逆風は浮力となり凧のように選手を高く上げ、それによって遠くまで飛ぶことを可能にする。反対に順風はむしろ浮力を抑え、飛距離が伸びないのである。このことは見事に『逆風の真実』を教えてくれる。『逆風こそ順風』とは逆説などではなく、ある瞬間に起こりうる紛れもない真理なのだ。」
「簡単なことを難しく言うのは馬鹿、難しいことを難しく言うのは凡人、難しいことを簡単に言うのが賢人だ」と言われますが、本書におけるこの部分の記述などまさに、「難しいことを簡単に言う」ことに他ならないと思います。 本書には、桜井氏のこのような珠玉の言葉が数多く紹介され、それらをさらに藤田社長がビジネスの世界からの視点を加えて解説をしてくれています。 一粒で二度おいしい、いや二度にとどまらない非常にありがたいものとなっています。