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イスラム銀行の仕組み

2025年9月9日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先月(2025年8月)末より、次男がマレーシアのインターナショナルスクールに転校しました。

その準備等も含めマレーシアに何度か渡航して、感じるところがあります。

それは、マレーシア人の人の良さです。

と言っても、ただ人が良いということではなくて自然体で「多様性を尊重する姿勢」に基づく人の良さがひしひしと伝わってくるのです。

「多様性を尊重する姿勢」とは、他人は他人、自分は自分という考えの徹底です。

ただ、これだけですとただの他人に無関心の冷たい人が多いように思われるかもしれませんが、そうではありません。

「多様性を尊重する姿勢」をもちながらも、こちらの困りごとには非常に積極的に関与してくれるという意味で人の良い人が多いのです。

マレーシアは多民族・多宗教国家です。

具体的には、マレー系(約65%)、華人系(約24%)、インド系(印僑)(約8%)の順で多く、マレー系住民のほとんどがイスラム教徒で国教もイスラム教(スンニ派)ですが、中国系は仏教、インド系はヒンドゥー教徒が多く、イギリス植民地時代の影響でキリスト教徒もいる(イスラム教61.3%、仏教19.8%、キリスト教9.2%、ヒンドゥー教6.3%、中国民俗宗教1.3%、その他2.1%)。

その上で非常に興味深いのは、国教がイスラム教(スンニ派)でありながら、彼らは他の宗教に対しても非常に寛容なところです。

例えば、同じイスラム教(スンニ派)が国教であるサウジアラビアでは、飲酒はたとえ外国人旅行者であっても厳しい処罰の対象になるのに対し、マレーシアでは飲酒はいくらでも可能であるだけでなく、イスラム教徒にその様子を見られたとしても不快感を示されることはありません。

それについては10年まえに訪れた「インドネシアでもほぼ同様でした。

前置きが長くなってしまいましたが、イスラム国家マレーシアにおいてもう一つ興味深いこととして、「イスラム教が利子を禁止している中での銀行経営」(イスラム金融)が挙げられるのですが、今回はその件に関するインターネット記事を取り上げて考えてみたいと思います。

「イスラム教の聖典コーランは、お金を貸し借りして利子を取ることを禁じている。『汗水流さず、お金を動かすだけでもうけるのは不当利得に当たり、好ましくない』と考えるからという。ただ、商売やお金もうけ自体を禁じているわけではない。そこで、『不当利得』と考えられる利子をとらない手法が考案された。手法は大きく二つ。一つは商品を売買するパターン。車を買う場合、銀行は顧客が望む車をディーラーからいったん購入し、銀行の利益を上乗せした価格で顧客に販売する。顧客は分割などの方法で支払えば、従来型銀行で言うところの『利子』はない形で車を手にできる。もう一つは事業を一緒にするパターン。イスラム銀行は事業の当事者のような形で参加し、利益も損失もシェアする。成否を見極め、必要なら口出しすることで、『ともに働き、汗をかいて』利益を得ることをめざす。こうした手法が現代の銀行に組み込まれる形でできたのは、半世紀ほど前。マレーシアでは『タブン・ハッジ』がその扉を開いた。イスラム教徒がサウジアラビアのメッカ巡礼に行く資金を積み立てるために創設された基金だ。サイード・ハマダ・サイード・オスマンCEOは『かつてイスラム教徒は巡礼のために自宅などをすべて売却していた。すると、帰ってきた時に困窮する。どうにかしないといけない、と基金ができた』と説明する。1963年に運用を始めた際、預金者は1281人だったが、今は900万人以上。預金残高は920億リンギ(約3兆円)にのぼるという。基金は預金を運用し1年ごとに配当する。投資先も特徴があり、イスラム教が禁じるカジノやアルコール関連などは不可だ。昨年の配当率は3.1%。市中の従来型銀行が提示している短期の定期預金の利子と同じか、少し低い水準という。マレーシアは、人口の6割強がイスラム教を信じるマレー系だが、中華系やインド系が計3割ほどを占める多民族国家だ。すでに従来型銀行が浸透していた社会だが、イスラム金融の預金と貸出残高は増え続け、全体の4割強を占めるようになった。しかも『イスラム教徒のための特殊な金融システム』との見方は違うようだ。実際、イスラム教徒でなくても、イスラム銀行は利用できる。」

*ちなみに、マレーシア最大の銀行である「Maybank」や「CIMB銀行」は通常の銀行業務とイスラム金融業務の両方を扱っているようです。

このような多様な考え方、制度が存在する環境の中で多感な時期を過ごすことができるうちの次男のことを私は本当にうらやましいと思っています。

 

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