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勝負眼

2025年12月10日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

少し前に「起業家の勇気」というヒルズ族の「兄貴分」と言われるUーNEXTの宇野社長の半生を描いた書籍をご紹介して、私の大学時代の話として、当時ベンチャーブームの最先端を走っていた宇野社長率いる「インテリジェンス(現パーソナルキャリア)」という人材サービス会社が主宰の「就活セミナー」の中にもかかわらず、「ベンチャー立ち上げという選択肢もある」ということを示すために、当時同社から独立してサイバーエージェントを立ち上げたばかりの藤田晋社長を就活セミナー内で紹介されたエピソードをお話ししました。

その藤田社長はいまや、サイバーエージェントを「amebaブログ」や「ABEMA TV」(この不思議な名前は既存のamebaブログのマスコットの「アベマ(amebaを逆から読んだ)」くんからきているらしい。)などのメディア自体をも有し、インターネット専業広告代理業という枠にとどまらない巨大企業に成長させた、日本を代表する経営者となられています。

その藤田社長が久しぶりに「勝負眼」という本を出版されましたので早速読んでみました。

下世話な話ですが、本書で最も印象的だった(というか面白かった)のは、「はじめに」の冒頭で書かれた、

「『週刊文春の方からご連絡がありました・・・』私のスマホに通知された、広報担当者から来たメッセージの冒頭を見て、過呼吸かというほど心臓がバクバクとなった。2024年3月のことだ。(中略)とにかく女性問題だけはやめて。そんな祈るような気持で恐る恐るスマホを開くと、文春での連載オファーだった。」

という告白文章でした。(笑)

本書は、この週刊文春でのご本人の連載「リーチ、ツモ、ドラ1」(実際にご自身が週2400文字のペースで現在も連載中)をもとに一部加筆修正して一冊の単行本にまとめられたものです。

以下に、冒頭文章ほどではないにしても、特に印象に残ったものとして、本書の中で著者が語った「経営」および「人生」において「これは!」と思った珠玉の文をいくつか引用しつつ、それらに対する自分の感想を書きたいと思います。

◆ 仕事も人生も運に左右されるが、最終的には努力を怠らなかった人が生き残っていく。経営者も短期的に運が良いだけでうまく行く人もいるけれど、調子に乗って実力をつける努力を怠れば長くは続かない。その理由は、運だけで勝っているだけなのにもかかわらず、それが自分の実力だと勘違いしてしまうからだ。

→だから、下手に運なんかに恵まれるよりも(不運すぎるのも考えものですが)、地道に着々と前に進んでいく人生の方が、実力を磨くための機会を得ることができるという意味でよほどマシだと考えるべきだと理解しました。

◆ ただし、期待値の高い、つまりリスクが小さくて、大きなリターンが見込めるいわゆる『チャンス』が目の前に現れたときに、大きく勝負に出ること、普段は手堅くともその時ばかりは腹を決めて勝負する度胸が必要だ。サイバーエージェントの場合、スマホが世の中に出た時がまさにそれ。

→著者としてはその時、うまくいっていたガラケー向けのサービスでの大損を覚悟で全てのサービスでスマホシフトするという大投資・大変革を行ったそうですが、まさにそれは自分は絶対に「イノベーションのジレンマ」に陥らないぞという経営者としての決心のもとに行動したということなのだと理解しました。

◆ 長く社長という権力の座にいると、元々謙虚な性格であったとしても控えめに、慎ましくい続けることはとても難しい。なぜなら、周囲の人がすごくチヤホヤしてくるから。お世辞も言われすぎると本心かどうか見分けがつかなくなる。レストランに行ったら特別扱い、パーティーに行けば主賓扱い、それに慣れてしまうと、そうでなければいら立ちを感じるようになってしまう。そして気づけば周囲はイエスマンだけになる。経営者の仕事はえらそうにしたり、威張ったりして良いことは一個もないと思う。それどころか、気づかないうちに、嫌われたり敵を作ったりして、将来的に負ける原因を自ら作ってしまう。それは長期ではすでにゲームに負けている状態だと言える。

→これは、「宝くじに当たった人の末路」に近いものがあると思います。また、そのような立場になった人の数が非常に少ないため、一般的にその教訓が共有される機会がほとんどないことからくる難しさなんだろうと想像いたします。

だからこそ、本書での世にも稀有な経験者である著者によるこれらの言葉たちは、どこまでも果てしなく価値が高いものだと言えるのではないでしょうか。

 

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