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直感と論理をつなぐ思考法

2026年2月7日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回の記事にて、戦略デザイナーの佐宗邦威氏の講演を聞いての感想を、「なぜパーパス経営が必要なの?」という記事にまとめましたが、その最後にて、積読状態にあるご著書をできるだけ早く読了し、このブログでご紹介することをお約束しましたので、早速ではありますが「直観と論理をつなぐ思考法」をご紹介いたします。

本書は2019年に書かれていますので、前回の記事で取り上げた講演のテーマである「パーパス(MVV)経営」を著者がご自身の会社の事業に加えられる前から扱われている「ビジョン思考」が本書の中心テーマになります。

AIによって人間が思考する必要性の低下が叫ばれていますが、そうなると人間の価値として残されているのは「直感(もしくは感情)」くらいになってしまうのではないかという疑問が浮かんできます。

実際に、経営の分野でも「戦略の世界」から「デザインの世界」へ、それはつまり論理(競争)の世界から直感(創造)の世界への移行が必要だと言われ始めたところですが、本書は7年も前にこの問題にフォーカスしていたことになります。

以下、本書において印象的だった部分を要約し、感想とともにまとめてみたいと思います。

脳は、左脳(論理・言語・分析)と右脳(直感・ビジョン・創造性)という二つのに分かれるが、上記の通り、前者はほぼAIに取って代われてしまうことが決定的になってしまったので、後者こそが、これからの「最も人間らしい」脳の機能となると言える。

しかしながら、人間は長い間、特に産業革命以後は特に左脳(論理・言語・分析)に全幅の信頼をおいて生活を豊かにしてきたこともあり、急に右脳(直感・ビジョン・創造性)を使うべきだと言われてもなかなかすぐに転換することが難しい。

特に、日本は世界の中でも特にその傾向が強く、何か論理から離れた提案をしようとするものなら、「いい年した大人が何言ってるんだ」と言われてしまうように、「ビジョン(妄想)」の地位が著しく低い国であると言える。

しかし、世界(特に欧米)のエリートたちは、かなり前から「本当に価値あるものはビジョン(妄想)からしか生まれない」ということに経験から気づき、意識して今までの左脳的「カイゼン思考」から右脳的「ビジョン思考」に思考のモードを切り替えるべきだとの考えが生まれるようになったという。

少々古いですが、「ビジョン思考」の成功例として、アメリカのケネディ大統領の「ムーンショット」が有名です。

1960年代当時、アメリカは宇宙開発でかなりソ連に後れを取っていたのを挽回するために、左脳的「カイゼン思考」では絶対に思いつかない「有人月面着陸」というアイデアを10年以内に実現するという「ビジョン(妄想)」をぶち上げ、その現実とのギャップを把握することで、従来とは全く異なった発想、すなわち世の中に存在するあらゆる資源をことごとく活用という方法をとることにつなげ、実際に実現することに成功しました。

本書においては、どうしたら左脳(論理・言語・分析)的思考に慣れ切ってしまった私たちの「思考」を右脳(直感・ビジョン・創造性)的思考である「ビジョン思考」に切り替えができるのか、その具体的な(実際に著者の佐宗氏が自社で提供している)方法を紹介されています。

それらの具体例を見ていくと、とにかく私たちは「何を作るかを考えてから手を動かす」ことにあまりにも慣れすぎていることに気づかされます。

そうではなく、何も考えずにまずは「手を動かすプロセスの中でだんだんとアイデアの輪郭が生まれてくることを発見する」という体験ができる方法ばかりでした。

つまり、順番の違いを明確に認識することが重要だと理解しました。

そのことを見事に表現したサッカー日本代表監督を務めた岡田監督の言葉を著者が本書の最後に紹介していたので引用します。

「最近、大人から『希望にあふれる物語』を聞くことがなくなったと思う。でも、僕は信じているんです。夢を語れば無形資産が集まる。無形資産が集まれば有形資産が動くと」

しかも、今ではAIがその夢と現実とのギャップを埋めるために必要な左脳(論理・言語・分析)作業を圧倒的なパワフルさで実行してくれるわけですから、そのことの価値はケネディ時代よりもはるかに高まっているはずです。

 

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