
続・創業者企業運営の弱点
2025年12月25日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。
年の瀬に来て、私の中では今年最も驚かされた経済ニュースが飛び込んできました。
それは、ニデックの創業者 永守重信氏の「代表取締役の引責辞任」のニュースです。
今まで私はこのブログでいくつもの彼に関する記事を書いてきて、特に「永守流 経営とお金の原則」では、
「昭和の経営の神様が松下幸之助翁とすれば、現代の経営の神様は誰かというアンケートをとったならば、現時点で彼の名前は、すくなくとも3位以内には入ってくるのは確実だと思います。」
というとても無邪気な感想を書いていました。
ただ、その記事を書いたすぐあとの2022年4月24にそんなスーパー経営者の唯一の弱点とでもいうべき「事業継承の失敗」に関する「創業者企業運営の弱点」という記事を
「飛びぬけ過ぎたこの能力こそが創業者企業運営の弱点と言えるような気がしてきました。」
という言葉で締めくくっており、その信頼へのトーンダウンは否めませんでした。
しかし、それからおよそ三年半、それとはレベルがまったく違う、私としては本当に「がっかり」させられてしまうニュースを目にすることになったのでした。
この問題の概要は以下のようにまとめられます。
「この問題は、一言で言えば『海外子会社での不適切会計処理』ということになる。具体的には、2025年6月、連結子会社であるイタリアのFIR社に関する取引で、原産国申告に誤りがあり、追加関税を支払っていなかったことが発覚したと公表し、類似事象の有無等を調査する必要があるとして、有価証券報告書の提出期限を延長した。さらに、9月3日、中国子会社において、購買一時金に関して、不適切な会計処理が行われた疑いがある旨、ニデックやグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関して評価減の時期を恣意的に検討しているとも解釈しうるなど、不適切な会計処理が行われていたことを疑わせる資料が複数発見された旨を公表するとともに、これらの事実関係の調査、影響額の算定、及び原因究明・再発防止策の策定等のために、第三者委員会を設置した。その後、9月26日には有価証券報告書が提出されたが、その際、ニデックは、これまでに公表した問題以外にも不適切な会計処理があったこと及び監査法人から『意見不表明』の監査報告書を受領したことが公表された。このように、次から次へと不適切会計疑惑が発覚したと公表されている。これを植え、10月28日には、東京証券取引所がニデック株式を『特別注意銘柄』に指定し、11月にはニデックはTOPIX及び日経平均株価の構成銘柄から除外された。このことは10月27日に発表、報道され、その翌日の10月28日、同社株価は急落し、これまで9月3日の第三者委員会設置の公表以降、最大で1237円(約30%)株価が下落した。」
そして、12月19日、創業者でグループ代表の永守重信氏が代表取締役を辞任されました。
この一連の不祥事の責任を取っての辞任ということになるのでしょうが、同社のプレスリリースは「本人の意向により」というだけで、詳しい経緯の説明はなく、会見の予定もないとのこと。
第三者委員会の結果が出ていない段階では、正確なことは何も言えないのかもしれませんが、少なくとも永守氏は「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」とのスローガンのもと、ものごとをはっきりさせることでニデックを急成長させたことを評価されてきたわけで、最後の最後でのこの「静かな幕引き」は、それは非常に寂しいの一言につき、冒頭の私の「がっかり」の源はまさにそこにあります。
「事業承継」が唯一の課題と思われていた企業の創業者の幕引きがこのようなものだとすれば本当に残念でなりません。
経営には常に「謙虚さ」と「誠実さ」が求められることを改めて教えられた出来事でした。









