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永守流 経営とお金の原則

2022年3月6日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

日本電産の創業者である永守重信氏に関しては、今までこのブログでも「人を動かす人になれ!」や「情熱・熱意・執念の経営」などの著書や「君子豹変す」や「グローバリズムは制限すべきなのか」などの新聞記事の紹介をしてきました。

それらの著書やインタビューから感じられることは、ゼロから世界的な企業を作り上げた、まさにたたき上げの経営者としての強烈な説得力です。

教科書的なタテマエ論とは異なり反論の余地は全くなく、まるで「神の啓示」を受けたような気分にさせられてしまいます。

昭和の「経営の神様」が松下幸之助翁とすれば、現代の「経営の神様」は誰かというアンケートをとったならば、現時点で彼の名前は、すくなくとも3位以内には入ってくるのは確実だと思います。

今回ご紹介する最新書籍「永守流 経営とお金の原則」も最初から最後まで素直な気持ちで受け止めることができました。

その中でも強烈に印象に残った「守永3大経営手法」を本書から引用し、簡潔にまとめたいと思います。

① 井戸掘り経営

「幼いころ、母がお風呂に入れる水を井戸から大量に汲んでいる様子を見て水がなくなってしまうのではないかと心配する私に、『井戸の水というのは汲めば汲むほど湧いてくるから心配ない。』と教えてくれ、実際に翌日井戸をのぞくと確かに水が元に戻っていたことからヒントを得たもの。経営改善のアイデア、コスト抑制のアイデアも、これと同じである。キャッシュを生み出すための新たなアイデアが出てくるまで、とにかく徹底的に続けることだ。」

② 家計簿経営

「これは家計になぞらえて危機時の経営手法を示したものである。例えば不況が来て、ある家庭で30万円の給料が25万円に下がったとする。30万円の時は3万円の貯金をしていた。25万円になってもその10%の2万5千円の貯金はしたい。そのために何をするべきか。ビールを今まで2本飲んでいたものを1本にするとかタイやヒラメをサバやアジなど安い魚にするなど(生活が成り立つ範囲で)ありとあらゆる支出を少しずつ節約するのだ。そして、危機を乗り越えたら元に戻せばよい。」

③ 千切り経営

「重機で運べないような大きな荷物でも、いくつかに分解すれば手でも運べるようになる。経営上の大きな問題も、小さくして考えれば解決が可能だ。1億円の赤字というと驚くが、月にすれば約800万円、1日にすれば数十万円である。千切りにすれば必ず解決策が見つかる。」

あまりにもシンプルですが、それを実際に実行に移すことはそのシンプルさに反比例して難しいことであることは、世の中の多くの企業が実行に移せていないという事実が如実に物語っていると思います。

著者の会社では2008年のリーマンショック時にグループ社員全員の賃金カットを断行し、本来300億円の赤字想定を10億円の黒字を確保したとのこと。

しかもここがミソだと思うのですが、それによって一気に業績を回復させた後、年度末の賞与でその減額分に利子をつけて社員に返済したと言います。

ここに社員への「返済」という表現を使うということに著者の経営者としてのすごみを感じました。

 

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