英語のこころ #201
2018年11月6日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【著者】 マーク・ピーターセン
【出版社】 集英社インターナショナル新書
【価格】 ¥700 + 税
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語彙を覚えるときに苦労するのは、それが初めて出会ったものである以上、少なくともその時には自分の持っている母国語の語彙と無理やりにも一対一の関係を仕立てて頭に入れなければならないことです。
その苦労を少しでも和らげようと、#192「英単語ピーナッツ」のようなコロケーションの方法論があるわけですが、それもセットにすることで二つの別個の語彙のつながりというヒントが増えるだけで、それぞれの意味としてはまずは一対一の関係に頼らざるを得ません。
語彙の記憶というのは、そんな「無理やり」なことをある程度達観しながら取り組んでいかなければならないわけですが、英語と日本語の一対一の重なりの多寡と濃さに関わる違和感に常に悩まされるのが宿命です。
本書は、英語のネイティブスピーカーでありながら永遠の日本語学習者であると自負され、英語と日本語をどちらも達人のレベルにまで高められた著者がその「悩み」(著者としては「楽しみ」)について書かれたものです。
本書には、英語を母語としつつ、日本語を外国語として学び始めてついには通常の日本人よりも高いレベルにまで到達された著者だからこその視点が豊富で非常に興味深く読めました。
文責:代表 秋山昌広