
TOEIC亡国論 #186
2018年6月2日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【著者】 猪浦 道夫
【出版社】 集英社新書
【価格】 ¥740 + 税
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#58「語学で身を立てる」と#163#164「英語大講座」シリーズの著者の新刊です。
本書のタイトルからすると「TOEIC」を目の敵にして徹底的に批判することを目的としているかのようにとられられそうですが、実はそうではありません。
本書では、TOEICの良い面と悪い面をフェアに列挙しつつ、本質的な性質を明らかにしています。
その上で、今の日本社会の現状としてTOEICが企業にとどまらず、学校や個人を含んだありとあらゆる層の人たちに盲目的に、画一的に採用されていることについての異常さを指摘されています。
つまり、TOEICの試験をその試験の本質からとらえて適用すべき範囲内でのみ利用するという姿勢を持つことができないことこそがこの日本の英語教育の危うさだと考え、敢えて「亡国論」という強烈なタイトルをつけられたのだと思います。
著者はその意味で、この試験を受ける側の姿勢に大きな問題を投げかけているのです。
文責:代表 秋山昌広