日本人と英語

助動詞はもともと動詞だった?

2021年2月20日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の歴史から考える英文法の『なぜ』」からテーマをいただいて書いこうと思います。

ただ、紹介ブログで書いたように、本書はそのタイトルにある「なぜ」を「そこまで?」と言いたくなるくらいたくさん拾ってくれていて、その中から興味深いものを厳選しようとしても、なかなかコンパクトにまとめることが難しく、今までになくたくさんのテーマを取り上げていかざるを得ないことをはじめにお断りしておきます。

それでは、栄えある第一回目のテーマをご紹介しますが、それは「助動詞の起源」についてです。

早速ですが、本書における「助動詞」にかかわる記述を以下に引用します。

「助動詞canの由来は古英語のcunnanで「~を知っている」という意味の動詞、助動詞willは古英語のwillanで「~を望む」という意味の動詞、助動詞shallは古英語のscealで『(しかるべく)~すべし』という義務を負う意味を表す動詞です。ここでは、助動詞willを例に解説します。動詞willanが目的語に不定詞をとると、『~することを望む』という意味から『~するつもりである』という『未来の意味を含んだ意思』の意味に発展します。ここまでくるとwillanは動詞というよりも未来の意味を表す助動詞という新しい品詞を形成することになります。」

なるほど、とこの非常に単純な説明にすっきりとさせられたと同時に、今まで私は自分の講座の中で「助動詞は、助動詞は助・動詞=(動詞を助ける詞)として覚えた方がいいです」とお伝えしてきましたが、厳密には「助動詞は、助・動(詞)・(動)詞=(動詞を助ける動詞)として覚えた方がいい」というべきだったかと大いに反省をしました。(とはいえ、あまりに複雑になりますのでこの言及は避けたいと思います)

ただ、それでもまだ二つほど疑問が残っています。

一つ目の疑問は、ではなぜ「canやwillが目的語として不定詞をとっていたのに、その後に不定詞のtoがつかないのか」という点、そして二つ目の疑問は、「同じく助動詞に分類されるdoはなぜこれらと全く違う働きをしているのか」という点です。

ですので、次回から二回にわたってこの二つの疑問について解消したいともいます。

 

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