日本人と英語

fineは「素晴らしい」それとも「罰金」?

2020年4月29日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英文法の魅力」から、いくつかテーマをいただいて書いていますが、第三回のテーマは「一つの単語に複数の意味の存在」についてです。

以前「Refrainは『差し控え』それとも『繰り返し』?」という記事で、

「これらは一見同じ単語に見えるけどもbankが『銀行』と『土手』という二つの単語であるように,これらも同一語源ではなく、別々の単語のようです。」

というような指摘をしました。

本書では、「fine」という単語についてrefrainと同様に、「素晴らしい」という意味と「罰金」という全く正反対ともいえる別の意味があるのかどうなのかの考察がありました。

その部分を以下に引用します。

「fineはラテン語のfinis(=end)がフランス語の『終わり』を意味するfinになり、やがてそれが英語に入って、『完成された』の意味を持つようになりました。finishやfinalなども同根です。fineが『素晴らしい・申し分ない・元気な・晴れた』などの意味を持つのは、『終わり→仕上がり→質の点で最後のもの→完成を極めたもの→申し分ない状態で』という変遷をたどったからです。また、『罰金(を科する)』という意味も『終わり』に関係があります。『終わらせる→争いに決着をつける→罰として言い渡す→罰金を科する』となりました。」

つまり、refrainとは異なり、一見全く関係のなさそうな「素晴らしい」と「罰金」は根本的なところで関係していたということになります。

英語も調べ始めるとどこまでも深まっていき、なかなか一筋縄ではいかないものですね。

 

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