No more Hiroshimaは誤り?
2022年9月15日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「日本人の9割が知らない英語の常識181」からテーマをいただいて書いていますが、第七回目のテーマは「No more 〇〇」の表現についてです。
日本ではこの冒頭の画像のようなポスターがよくありますが、私たち日本人はこの「No more Hiroshima」の表記に違和感を感じることはないと思います。
しかし、アメリカ人である著者は大いに違和感を感じ、「落ち着かない気分になります」と告白しています。
これは別に彼女が原爆を落としたアメリカ出身だから責任を感じてというわけではありません。
この「違和感」について以下、本来あるべき表記とその解説文を本書より引用します。
「No more Hiroshimas!
『ノー・モア・ヒロシマ!』を英語で世界に発信するのなら是非このように『Hiroshimas』と複数形にしていただきたいと思います。なぜなら、このメッセージの本意は『2つ目のヒロシマを作ってはいけない』というところにあるはずで、『more Hiroshimas』にNoと言わなければならないからです。」
その証拠がこちらです。
このようにアメリカでのイベントのポスターは実際にこのようになっています。
こうして並べて比べてしまうと、なんだかすごく恥ずかしくなってしまいますが、これも「複数形」という概念の存在しない日本語と英語の言語的距離の大きさを物語っていると思います。