「re」は「再び」だけじゃない
2021年12月17日 CATEGORY - 日本人と英語
前回ご紹介した「まんがでわかる英単語の語源」からいくつかテーマをいただいて書いていきたいと思います。
第一回目のテーマは「接尾辞 re」の意味についてです。
本書を読まなくとも、ほとんどの英語学習者は「接尾辞 re」の意味については難なく答えられると思います。
そうです、「再び」の意味ですね。
ところが、コロナ禍となり「remote」という英単語を耳にすることが多くなった昨今、この「再び」という答えだけでは対応できないことに気づかされました。
この「remote」に「再び」を当てはめてもどうしても「遠隔」の意味にはならないからです。
実は、この疑問に答えてくれる非常に分かりやすい解説が本書にありましたので以下引用します。
「『接尾辞 re』には三つの意味があります。一つ目は『後ろに』、二つ目は『再び』、そして三つ目は『元に』です。順番に具体例を出しながら説明します。一つ目として、リレーは英語では『relay』ですが、語源は『re(後ろに)+lay(置く)』で、待っている選手の後ろでバトンを置く(渡す)ことに由来します。動詞としては、ニュースなどを中継して『伝える』という意味になります。二つ目は、『reply』。これは『re(再び)+ply(折る)』が語源で『折り返す』ことから『返信する』の意味があります。ただし、メールの件名に出る『Re:』は『~に関して』という意味のラテン語に由来しているので、実はreplyの略ではありません。三つめは、『reduce』。これは『re(元に)+duce(導く)』で『元に戻す=減少させる』の意味があります。」
なるほど、そうなると「remote」は「再び」ではなく、「re(後ろに)+mote(動かす)」だから「離れた(遠隔の)」ということになるわけですね。
この考えに基づいて以下に三つの意味ごとに例をあげておきます。
一つ目「後ろに」
recline (後ろに傾ける=後ろに倒れる)
remove(後ろに動かす=取り除く)
二つ目「再び」
repeat (再び求める=繰り返す)
recover(「欠けた部分を」再び覆う=回復する)
三つ目「元に」
reclaim(元に戻せと叫ぶ=返還を要求する)
refuse(元に注ぎ返す=断る)
また、この三つ以外にも「完全に」という強調の意味もあるようです。
religion 「re 完全に + lig(神と)結ぶ + ion こと」=「宗教」
resent 「re 完全に + sent 感じる」=「~に憤慨する」
restrict 「re 完全に + strict 厳しい」=「制限する」
今回は本書のおかげで、relearn(再び学ぶ=学びなおす)することができて本当に良かったです。