日本人と英語

「X・Y・Z世代」について

2024年5月13日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の種あかし」からテーマをいただいて書いてきましたが、第五回目の今回で最終回です。

最終回のテーマは「X・Y・Z世代」です。

「Z世代」というのは、1990年代後半以降に生まれた世代を指す言葉ですが、それがなぜ「Z」と呼ばれるのかの理由を私が知ったのはほんの数年前くらいのことです。(その前にX世代とY世代と名付けられた世代が存在するのでZ世代ということ。)

2006年出版の本書には、この「Z世代」という言葉についての言及はありません。当時まだ1995年生まれの人は11歳ですのでその人たちはまだまだ社会に影響を与える年ではないためその世代に名をつける必要性がないからです。

ただ、本書はこれら「X世代」と「Y世代」(とその後に続く「Z世代」)が、実はアメリカで生み出された言葉で、その後日本に輸入された(明確な時期は残念ながら特定できませんでした)ものであることを教えてくれています。

本書にその言及があるということは、少なくとも「X世代」と「Y世代」という言葉は日本に上陸してからすでに20年以上は経っていることになり、新しい言葉についてのアンテナを常に高くしたいと思っていたはずの自分自身の不勉強を深く反省した次第です。

以下、本書よりその該当部分を引用します。

「戦後のアメリカの『世代』はふつう次のように分けて呼ばれている。 まず、第二次大戦後の1946年から1964年までのいわゆる戦後のベビーブームの時代に生まれたのが『ベビーブーマー』で、これが数にすると約7700万人。その次が、 1965年から1980年頃 までに生まれたのが『X世代』で、これは数にするとおよそ5200万人。かつてこの世代に属する人々は、上の世代から 『X世代は軟弱だ』 『X世代はやる気がない』などとさんざんくさされ 続けたものだが、この世代は意外に堅実である。とりわけ彼らのあいだでは、家庭を大切にする傾向が強く見られるようになっている。 X 世代の人々は、彼らの親の時代に性革命や女性運動などの影響で離婚率が急上昇したことから、両親の離婚を経験して傷ついた人間も少なくなかった。 その影響もあって、彼らには男女に共通して、仕事よりも、あるいは仕事と同じくらい家庭を大事にしようとする姿勢がより顕著に見られるようになっているのである。そして、それ以降に生まれたのが『Y世代』と呼ばれている。」

私は1979年生まれなので、ぎりぎり「X世代」におさまっています。

X世代の私が本書が出版された2006年当時には27歳でしたので、「Y世代」はその初期生まれの人でもまだ社会に出たばかりだったことになり、「Y世代」についての評価をするにはまだ情報が少なすぎたのか、その説明はほとんどありませんでした。

つきましては、「Y世代」および「Z世代」については別個に調べましたので、以下その二つの評価についてまとめます。

「Y世代とは、1982年〜1995年ごろに生まれた世代のことで、人口は1億6000万人でミレニアル世代とも呼ばれます。ミレニアル世代は、幼少時代からインターネット環境が整っていたため、デジタルネイティブといわれることもあります。Y世代の特徴として、親世代と同様に、新聞や雑誌などの紙媒体から情報を収集する場合も多く、複数の媒体からバランスよく上手に情報を収集することに長けています。また、旅行をはじめとする『体験』にお金を使いやすい傾向があり、一言でいえば、『モノよりもコト』を重視するのもミレニアル世代の特徴であるといえます。Z世代は1997年から2012年頃に生まれた世代で、人口は約6100万人でポストミレニアル世代と呼ばれることもあります。Z世代は、先行世代と比較して人種的に多様性に富むことが特徴です。2019年時点の人種構成は、白人が51.4%、ヒスパニックが24.6%、黒人が13.8%となっています。」

ちなみに、「X世代」の名付け親はハンガリー生まれの写真家ロバート・キャパが1950年代に出した「Generation X」というフォトエッセイが語源とされています。

なぜ「X」かと言えば、このエッセイが第二次世界大戦後の混乱を生きる若者たちをテーマにしたもので、「未知=X」の世代という意味が込められていたと考えられます。

そして、その後の1991年頃、カナダの作家・ダグラス・クープランドが出版した小説「ジェネレーションX-加速された文化のための物語たち」がベストセラーになったことをきっかけとして、X世代という言葉が世界的に知られるようになったのです。

その後に続く世代に「Y」、そしてその後に続く世代に「Z」というのはすでに言及した通りですが、逆に言えばではその後の世代の命名はどうするのか心配になってしまいますが。(笑)

そこはやはり「言葉は生き物」ですから、なるようになるのだと思います。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆