インターネット的
2017年7月19日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
経済学者の書いた本で10年先の「経済」を言い当て、評価されるものというのは極めて少ないことは常識となっていますが、「インターネット」のそれを見事に言い当て、「予言の書」とよばれ評価されている本に、コピーライターの糸井重里氏の書かれた「インターネット的」というものがあります。
実際に読んでみると、その評価にたがわず非常に印象的だったのでご紹介します。
「インターネットとは」という質問と「インターネット的とは」、もっと言えば、「○○とは」と「○○的とは」という質問の違いとは何なのでしょうか。
それは「的」が付くことによって、その対象の「本質」とは何かという質問に変化することだと思います。
本書を読むと、2001年に刊行された本書が2017年の現在において、「予言の書だ」といわれるのは、糸井重里という人が当時からものごとをすべて「○○的とは」という視点でとらえていたからというのがよくわかります。
2001年と言えば、インターネットバブルが弾けた年です。
インターネットバブルがなぜ発生し、二年という短い期間になぜ崩壊してしまったのか。
それは、「IT起業家」も、かれらのアイデアに投資した「投資家」も、その多くが「インターネット」の本質をとらえることなくそのゲームに参加したからに他ならないと思います。
著者の糸井氏は、初めてパソコンを手にしたのが1997年だったということなので、おそらくインターネットバブルに散っていった多くの「IT起業家」よりも「インターネット」についての知識は持ち合わせていなかったと思います。
しかし、彼は、彼らにはなかった「インタネット的」な考えを身に付けていたのです。
彼は、初めてパソコンを手にした日から一年後には、「ほぼ日刊イトイ新聞」というインターネット的な世界を体現したような場所を世の中に誕生させました。
このサイトは、まさに彼が「インタネット的」とは何かの答えの一つであると考える「勢いがないためにそのままでは埋もれてしまう商品の中から実力のあるものを見つける視点」を世の中に提示したものです。
そんな「インターネット」の素人であった糸井氏が、「インターネット的」とは何かにこだわって作ったこの場所は、2017年3月16日にジャスダック上場企業となりました。
本質的な理解は、先を見通す力を私たちに与えてくれます。
次回は、この「ほぼ日刊イトイ新聞」について掘り下げてみたいと思います。