公でなければならない仕事
2017年4月7日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日(2017年3月18日)のヤフーニュースにて「視点」の重要性に気づかされる記事を見つけました。
「コンビニエンスストアにおむつが置いてあるといいのに。」という声が多いのに実際にオムツを置いてあるコンビニが圧倒的に少ないという事実。
私は、てっきりコンビニには当たり前のように置いてあるものばかり思っていましたが、「おむつを置いていない店舗もあるのが実情」、いやむしろ、置いてあることの方が珍しいようです。
記事では、その理由をコンビニの立場から次のように説明されています。
「おむつは新生児から3歳児くらいまでサイズが多様で、テープタイプとパンツタイプの違いもあります。また、メーカーにこだわりのある方も多く、限られた棚のスペースでは導入しづらいのが現状です」
もちろん、このことも理由の一つではあると思いますが、私がハッとしたのはもう一つの理由です。
「ロードサイドの観光地など、急におむつが必要になる可能性が高い立地であれば別ですが、ニーズがないので置いていません。」
では、住宅地などニーズがありそうな場所ではどうかということになりますが、
「置くとしたら、場所に限りがあるコンビニでは、1枚100円という高い金額をつけざるを得ません。大容量パックだと1枚あたり10~20円台であることを考えると、圧倒的に割高になってしまいます。」
このように、よほどの需要があり金額に余裕のある人の多い場所以外では取り扱うことは難しいようです。
そのため、子育て世代の間では、コンビニにはおむつを置いていないだろう、という暗黙の了解がすでにある上に、おむつが必要な期間はわずか2-3年程度で、それを過ぎると、外出先で困ることはなくなるということもあるので、コンビニ側に継続的でインパクトのある圧力をかけるモチベーションも高まりにくいというのが一番の理由と分かりました。
その結果、「コンビニにオムツが置いてない」問題は永久に解決されることがない「宙に浮いた問題」となっているようです。
私たちが想像する以上に、この問題で悩んでいる人が多くないというのが事実かもしれませんが、少なくとも、一旦この問題が降りかかってしまった当人の緊急度合いは、かなり大きいものであると思います。
しかし、ビジネスである以上、その問題の解決にあたるべしとコンビニを責めるのもお門違いではあります。
まさに、このような宙に浮いてしまう問題の解決こそが、公でなければならない仕事だと思うのです。
私は、普段、市町村が、公営のホテル・保養所、日帰り温泉、駐車場、温水プールでの水泳教室、最近では図書館もそうだと気づかされましたが、民間がビジネスとして行うことができる分野の仕事をすることになんの意味があるのかと批判的に見てきました。
意味がないどころか、税金を使って民業を圧迫するという最悪なことではないかとも思います。
オムツを市町村がどのように緊急に必要な人に届けるべきかは分かりませんが、常に民間では解決しにくい、このような「宙に浮いた問題」の発見と解決のみを我が仕事とする「視点」をもっていただきたいと思いました。