グローバルビジネスの恐ろしさ
2012年11月1日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日、「太陽光発電の決めどき」の記事で日本国内での各家庭および企業の発電事業への参入が熱を帯びているとの話をしたばかりですが、その舌の根も乾かないうちに次のようなニュースがありました。
「太陽電池の生産について、世界トップクラスの性能を目指してきたパナソニックが、太陽電池への投資をすべて凍結する。」
パナソニックは、旧三洋電機の有力事業である太陽光事業を引き継いで、太陽光発電の勝ち組だと言われるづけてきました。
実際、「国内競合メーカーより1~2割高くても売れる」という評判を盾に、弱電気事業で世界に遅れをとっているパナソニックの事業の中で、数少ない成長事業として多額の投資が計画されていたのです。
それが、ここへ来て、「数百億円で次世代の生産ラインを作っても、投資回収は難しいという判断が下された。」というのです。
その原因は、太陽光パネル生産の世界的な競争の激化です。
いままで、その競争を「日本ブランド」でしのいできたパナソニックですが、中国をはじめとする価格競争力を持つ企業の圧倒的な物量に物を言わせた低価格路線に、もはや日本の「高効率」戦略が追いつかなくなってしまったようです。
実際に、私の自宅の屋根に載せたパネルは「パナソニック製」ですが、大規模になる会社の倉庫の屋根に載せるパネルは中国の「アップソーラー社製」です。
正直言って、圧倒的に価格が違います。
その差はもはや「高効率」では言い訳がつかないレベルなのです。
また、「信頼性」についても、中国勢は日本メーカーが「10年保証」のところ、「25年保証」とするなど、日本勢の優位性をかき消す努力をしています。
グローバル化の恐ろしさを見た気がします。
私たちも事業を起こすとき、それがグローバルに見ても「ナンバーワン」もしくは「オンリーワン」であり続けることができる根拠をもって行わなければならないと肝に命じるべきだと思い知らされました。