
マスコミが報じない”公然の秘密”
2024年1月15日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
昨年は何十年もの間「公然の秘密」とされてきたジャニーズ喜多川氏の性加害問題がすべてのマスコミを含め、この「公然の秘密」を「真実」として取り上げられることとなりました。
もともと過去の裁判において「真実」であることが認められていたのに、なぜこれが何十年もの間「公然の秘密」とされてきたのか、そしてそれが昨年「真実」とされるきっかけとなったのがなぜBBCという海外のマスコミが取り上げたことであったのか。
その点について本当のことを理解しないと、この問題に限らず「公然の秘密」とされているその他の問題も解決しないし、また今後も新たな「公然の秘密」が作られ続けることになってしまいます。
そこで、この国に蔓延するこの「公然の秘密」問題を真正面から取り上げた「マスコミが報じない”公然の秘密”」を読んでみることにしました。
著者の大村大次郎氏は、元国税調査官でずっとお金の面から社会を見てきた経験をお持ちで、本書は彼がお金の面から忖度なしで様々な社会の「公然の秘密」を暴露したものです。
読み始めから、特定のマスコミ、政治・経済・業界団体、個人など具体名を挙げて暴露しており、またその口調などからも批判のバランスの悪さは否めないのは正直な感想ですが、しかしそれこそが「忖度なし」で「お金の面」からの暴露を地で行くものと言われればその通りかもしれません。
非常に生々しい批判が続くので、いつものようにこの記事で内容を引用することは避けますが、日本社会における様々な分野での「公然の秘密」がお金の面から露にされています。
それらを一通り見せつけられて感じるのが、お金が関わると正義よりも、生活(お金)のための不正義が確実に優先されてしまうというのが現実だということでした。
そして、ジャニーズ問題のみならず、本書で暴露された多くの社会問題の解決のみならず、今後新たな「公然の秘密」が作られない社会を作ることは私たち自身に責任があると確信するようになりました。
なぜなら、これは日本社会全体がこの理不尽さのコストをどう厳密にとらえるのかの問題であり、私たち一人一人のそのコスト計算の集積だと思うからです。
ただ、それも以前「武器としての決断思考」の記事で学んだ「ディベート思考」の基本である「特定のテーマに対して賛否両論を自分の頭の中で整理することで根本的な理解にたどり着く」ことが私たちにできるかどうか、それにかかっていると思います。