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正しいニュースの見方

2024年1月12日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

世界的な脱炭素化の流れによってガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが不可避なものと受け取られるようになってきていますが、先日(2024年1月12日)、この状況に「待った」をかけるようなニュースがありました。

それが、ロイターの「ハーツ、ガソリン車2万台を売却。ガソリン車へ回帰」という記事です。

以下、この記事を引用します。

「米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスは、11日、電気自動車(EV)約2万台を売却し、ガソリン車に回帰すると発表した。EVの衝突や損傷に関する費用が高額になっているためという。これを受け、米電気自動車(EV)大手テスラの株式は3%超下落した。ハーツは2023年第4・四半期に、EV売却計画を受けた減価償却費として約2億4500万ドルを計上する予定。モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は、ハーツの動きはEV分野全体への警告であり、EVへの期待が『市場全体で下方修正』される可能性があることを示すと述べた。」

この記事によれば、「ハーツの動きはEV分野全体への警告であり、EVへの期待が『市場全体で下方修正』される可能性がある」というものなのですが、さてこれを世界の趨勢として私たちはそのまま受け取るべきなのでしょうか?

私は、こういった重大かつ不確実性が高いニュースを目にしたときには必ず、その記事の文面だけでなく、その記事を取り上げているキュレーションメディアのコメントをチェックするようにしています。

ただし、チェックするといっても、一つ一つのコメントの良し悪しというよりかは、すべてとは言わないまでもかなりまとまった数のコメントに目を通し、どのような意見の趨勢があるかをチェックするのです。

例えば、このニュースに関するヤフーのこちら

このヤフーのコメントをみると、意見は大体二つに分かれていて、一つはこの記事の「ガソリン車への回帰はEV市場全体の趨勢に影響する」というものと、もう一つは「あくまでもこれはレンタカー業界の業務内容に影響されてのことでEV市場全体の趨勢に影響しない」というものです。

それらをざっくり集計すると圧倒的に前者の「ガソリン車への回帰はEV市場全体の趨勢に影響する」が多数を占めているように感じました。

ただ、私はこのような特に専門性の高い経済ニュースに関しては、ヤフーニュースのみならず、ニュースピックスなどの有料のキュレーションメディアでのチェックをするようにしています。

というのも、ヤフーではほぼすべてのコメントが一般の方の「感想」に終始してしまっているのに対し、有料メディアでは経済ライターなどの専門家による専門知識に基づいたコメントが豊富だからです。

このニュースに関するニュースピックスのコメントページはこちら。(ニュースピックスの記事全体は有料ですが、コメントは無料で見られます。)

それらをざっくり集計すると、後者の「あくまでもこれはレンタカー業界の業務内容に影響されてのことでEV市場全体の趨勢に影響しない」が多数、すなわち今回のことはあくまでも、レンタカー事業で採算が合わないというハーツの戦略ミスのニュースであり、EVが否定されたというニュースとして取るべきではないという理解を示されている人もそれなりに多い印象でした。

つまり、これは全体の趨勢を占うには情報不足であり、判断にはまだまだ時間が必要だということなのかもしれません。

 

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