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中国の映画外交

2019年7月1日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

中国とアメリカの貿易戦争についてのニュースが喧しいですが、先日(2019年6月26日)の日経電子版にこの件に関して面白い見方の記事がありましたのでご紹介します。

それは、中国におけるアメリカを題材にした映画の反米・親米の振りが一定しないというものです。

「大阪でのG20サミットを前に、習近平は予測不能の大災害に見えるトランプとの直接対決にどんなスタンスで臨むのか迷いに迷っていた。相矛盾したメッセージを持つ2種類の中国映画テレビ放映が、図らずもその迷いを象徴している。注目されたのは6月19日、国営中央テレビが突然、番組を入れ替えて放映した親米路線が透ける中国映画だ。20年前にヒットした『黄河絶恋』の主人公とヒロインは、第2次大戦中、日本艦船との戦闘後、万里の長城付近に不時着した米軍パイロットと、彼を助けた中国共産党軍の英語を話す美しい女性兵士だ。やがて2人は恋に落ちる。『改革・開放』後の米中蜜月まで暗示する大河ラブストーリーと言ってよい。この親米ラブストーリーと対照的なのは、ちょうど1カ月前、やはり突如、3日連続で放映した『反米映画』だった。朝鮮戦争では米軍を相手に北朝鮮を助ける中国軍が死闘を繰り広げた。米国に抵抗し北朝鮮を助ける『抗米援朝』がテーマである。G20で習近平・トランプ会談が実現しても、その後どのような動きになるのか見通せない。習としては読めないトランプはリスクである。中国はトップの体面が何より大事な国柄だ。2月にハノイでトランプと会談した金正恩のように、トランプに席を立たれてしまっては大変なことになる。トランプを前にどこまで突っ張り、どこまで譲歩するのか。米側が強く要求する広範囲の『法的拘束力を持つ措置』をどう扱うのか。米中決戦は29日の方向だ。『万一、対米協議が不調に終われば、親米映画は姿を消し、再び反米映画の放映が始まるだろう』。北京の消息筋によるこんな見立てが外れることを祈りたい」

このグローバルな時代に、プロパガンダ的な手法で民衆をコントロールしようとする中国にもびっくりですが、その手法の振り方については、今回ばかりは非常に微妙な采配が求められているようです。

共産党一党独裁で経済最優先の政策の下、少しでも弱腰外交だととらえられても、政敵に付け入るスキを与えてしまうことにもなりますし、かと言って強気一辺倒で行ったとしても相手はあの予測不能のトランプ大統領ですから、さすがの習主席も本当に頭の痛い日々をおくっているのだと思います。

とは言え、あそこまで熾烈な貿易戦争を繰り広げるアメリカに対してでさえ、中国は「親米映画」という選択肢を持っていることは事実です。

しかしながら、中国において「親日映画」が作られたというニュースは残念ながら一度も聞いたことがありません。

それほど我が国と彼の国との関係は、深くそして複雑なものであることを思い知らされます。

いつか近い将来、中国に「親日映画」が誕生するならば、それは本当の意味で両国の歴史が未来志向になった時だと言えるのかもしれません。