何のために働くのか
2008年3月4日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
今週も最近読んだもので心に残った書籍の紹介をしたいとおもいます。
「北尾吉孝」という著者は、そうですライブドアの事件でその名を全国に知らしめた「ホワイトナイト」の方です。
当時はあのようなセンセーショナルな登場をされた方だったので、正直言って市場至上主義のイメージが強い方だと思っていました。
その当時、ホワイトナイトとして登場されたのですが、結局ライブドアの一件が「事件」となってしまったのでフジテレビとライブドアの間での日本放送の株式のバトルが、中途半端で終わってしまい、彼のホワイトナイトとしての行動が世の中に取り沙汰される前に、世の中がライブドアを舞台から引きずり落とすということで幕引きになった感がありました。
ですので、彼の名前だけが私の記憶に残ったという状況で正直、この書籍を読むまで彼がどのような方なのかを把握することはありませんでした。
しかし、この本を読んで実際の彼の考え方がまったく私がイメージしていたものとは正反対で「人徳」をもっとも重んじる方であることがわかりました。
彼は野村證券で非常に能力を発揮されたという経歴を持っておられます。
株式の売買で利益を最大限にすることが至上命題の企業出身の方から「人徳」というようなことを最重要とすべしというようなお話が出るのは何か奇妙な感じさえしました。
彼は次のように言っています。
「法律に違反していなければ何をしてもいいのだ、そのような考えでもって利益をあげないのはばかげているというような考え方ではいけない。」
「物事の判断基準はお天道様に向かってこれは恥ずかしくないという確信を持てる行動だけをするべきだ。」
実際に彼が、ホワイトナイトとなることを決めたのも「法律違反を犯さなければ【実際には法律違反だったかどうかが裁判になっていますが】、どんな形のお金儲けでもしてもいいのだ」という考えを世の中に蔓延させるわけには行かないという考えからだったそうです。
ビジネスは厳しいもので、実際に世の中のためだけのことを考えて成功させることは実際には大変難しいことです。
多くのボランティア活動が、よいことだとはわかっていてもなかなか最後まで続かない、大きな果実に結びつかないという事実からもそれは言えるのではないでしょうか?
しかし、だからといって世の中に対して迷惑をかける事がわかっているが、それをすることによって必ず自分の懐にお金が舞い込んでくるというようなビジネスの種がそこにあった場合にどう考えるべきか。
それは、やはりお天道様に向かってこれは恥ずかしくないと言えればやればよいし、言えなければするべきではないということを真摯に理解したいと思います。
ビジネスは、短期決戦で決するものではないはずです。
長期的にビジネスをするには、やはり世の中に受け入れられるものでなければならない。
それを世の中に問う前に、お天道様に問うてみることを習慣にすべきだと思いました。