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外国語使用における日本人のルーズさ

2023年12月6日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

本日(2023年12月6日)の読売新聞の記事に日本人の外国語に対するルーズさが明らかになるニュースが取り上げられていましたので以下、引用します。

「北海道小樽市赤岩の市道に設置されている道路標識の英語表記に誤りが見つかり、市は7日に修正の工事を行う。誤りがあったのは『小樽港』の英語表記で、『Otaru Port』とすべきところ、『Otaru Poot』となっている。『Poot』は米国の俗語で『おなら』『間抜け』といった意味。11月26日にユーチューブの投稿で取り上げられた。市建設事業室によると、この看板は1992年度に設置され、30年以上、誤りが見過ごされてきた。今年10月頃に市民から指摘があり、修正の準備をしていたという。同室は『外国人が見たら、何だ!?と思うような間違い。早急に修正する』としている。」

私も個人的には文字の間違いについては頓着がないほう(実際にランゲッジ・ヴィレッジが毎年作成するカレンダーの栄えある第一号の「Calendar」を「Callendar」として印刷してしまい、お配りした後発覚したという経験があります。その時は英語屋さんが絶対にやってはいけないミスだと猛省しました。)ですが、そんな私もこれには内容が内容だけにびっくりしました。

ただ、本当に驚くべきは、この「Poot(間抜け)」な間違い自体よりも、このことが30年以上そのままにされてきたという事実だと私は思うのです。

というのも、私は常々日本人の外国語の使用に関するルーズさよりも、それが間違いだと判明したあとも平気で放置し続けられる感覚こそが大きな問題であり、このことが日本人の外国語習得の大きな妨げになっていると思ってきました。

実際に今までこのブログでも、「和製英語らしくない和製英語その1」「和製英語らしくない和製英語その2」「シャベルとスコップ」「今夜のメニューは何?」など何回もこのことについては触れてきましたし、その中で次のような感想も述べました。

「ただでさえ、英語と日本語の言語的距離の大きさによって文章の構造というベースの部分からして苦労を強いられているのにもかかわらず、こういった単語レベルにもわざわざ複雑にしてしまっているということであり、その距離をより一層大きなものにしていると感じるからです。ここまでくると、まるで誰かが日本人を英語からあえて遠ざけるために様々なところに地雷が仕掛けているのではないかとさえ思えてきてしまいます。」

日本人が海外とのやり取りをすべて「商社」に任せて、自分たちは日本の中だけいいモノづくりをしてさえいれば済むかつての時代には、これらのようなルーズに扱われた外国語はあくまでの新たに作られた「日本語」であって「元の英語の意味とは全く関係ありません」という言い訳が通じていたのでしょう。

実際にこの「小樽のおなら」が30年間放置されてきたことはそのことを証明していると思います。

しかし、もはやそうではありません。

日本人は海外に向けて自ら英語で発信しなければ、国内需要だけで生きていける状況ではありません。また、円安も進み、外国人観光客による観光消費も日本が生きていくためになくてはならない必須な収入源であるということも、コロナ禍を経てひしひしと感じています。

そうなれば、普通の日本人が「英語」をきちんと使えるようにトレーニングすることは、もはや当たり前のこと、その際に「元の英語の意味とは全く関係のない外国語っぽい日本語」をいちいちアンインストールすることから始めるような英語学習をしている暇など決してないはずなのです。

ならば、私たち日本人はもっと真剣に、そして誠実に英語(外国語)と向き合って、今まで蓄積してきた「負の遺産」を解消するとともに、今後は絶対に新たな「負の遺産」をつくらない努力が必要だと思います。

 

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