混沌とした世界での日本の選択肢
2012年10月11日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
「Gゼロ」という言葉をご存知でしょうか?
第二次世界大戦後、圧倒的な指導力を誇っていたアメリカ。
冷戦終結後はアメリカと西ヨーロッパ、日本を含めたG7が世界秩序の中核を担ってきました。
その後、新興国の台頭に伴い、G7だけでは物事を決められなくなり、先進国と新興国を加えたG20へと移行していきました。
しかし、アメリカが急速にリーダーシップを失い、どの国もリーダー役を担う余裕がない中で、政治的・経済的価値観が共有されていないG20では重要な問題に対して進展をもたらすことができなくなっています・・・
このリーダー不在の状況が「Gゼロ」です。
今回、言葉の生みの親である米コンサルティング会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長のお話を聞くことができました。
もちろん英語の講演です。
国別の地政学リスクを分析し、企業などに提供しているコンサルティング会社としてユニークな地位を築いているユーラシア・グループを設立したブレマー氏は、企業だけでなく、米国の民主・共和両党の大統領候補者や安倍晋三元首相も含む、様々な国の指導者たちに助言を行ってきていらっしゃいます。
講演の内容ですが、混沌とした世界で米国に肩を並べる可能性がある国として「中国」を強調されていたのが印象的でした。
そうであるならば、G0ではなくG2ではないのか、とつっこみたくなったのですが、話が進むにつれて、なぜG0なのかが明らかになって行きました。
つまり、プレゼンスはあっても、米国も中国も世界秩序に「関心」がなくなり、貢献をするという「能力」もなくなっていくという傾向のようなのです。
つまり、自分自身のことで手一杯と言うことです。
昨今の尖閣諸島の問題などを見れば明らかです。
そのような中で、参加者から
「日本がこの混沌とした世界情勢の中、どのようにそのプレゼンスを維持したらよいか?」
という質問がありました。
そのブレマー氏の答えが日本人であるその場にいた私たち日本人全員に突き刺さりました。
「あなた方日本人は、内にこもりすぎです。(韓国を見習ったらどうですか?)日本国内市場が縮小したから売れないと悩むのはナンセンスです。新興国でエマージングマーケットの存在をなぜ、チャンスと捉えないのですか?市場があるところに出て行って、日本の製品、日本の人材を見せつければいいだけではないですか。それが、プレゼンスというものです。新興国のビジネスで暴れなさい!」
グウの根もでません。
グローバル社会とはそういうものだと、改めて感じさせられ、分かっているようでいて実は分かっていなかったんだと恥ずかしくなりました。