
言葉は凝縮するほど、強くなる
2019年11月10日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
まずは、このお顔とこのタイトル。
まさに、対極にあるイメージを持つ両者ですが、まぎれもなく古館伊知郎氏とそのご著書のタイトルです。(笑)
もちろん、ご本人もそのことを十分にご承知のようで、本書の冒頭は著者ご自身が得意とする「長時間にわたって自分中心の話を聞かせる」スタイルが昨今の世の中では受け入れられにくくなっており、そのことに対する反省の弁を語っておられます。
とは言え、著者は40年以上にわたって稀代の「しゃべり手」として人にものを伝えることに命を懸けてこられた方です。
その著者が、自らが散々しゃべりすぎてきたからこそ、その経験から「渾身の一言」を紡ぎだすことの重要性を世間に伝えることができるはずだと思って書かれたのが本書「言葉は凝縮するほど、強くなる」です。
本書を読んでみて、本当の意味で「渾身の一言」だらけだということが分かりました。
ですから、どの一言を取り上げようか本当に迷ってしまうのですが、逆に言えばどれを取り上げても、本書の価値をお伝えすることができると思いますので、エイやっで選んだ一言をご紹介します。
「あれ?その話、再放送?」
これは、人と話をしていて、「またその話?」と感じてしまったときに、どんな反応をするのが正解かという疑問に著者が答えたものです。
「その話、この間も聞きましたよ?」と直接的に言っても、悪気のない相手を気付つけてしまうリスクをはらみます。
ですから、その時に、この一言を発することでユーモアを交えながら、オブラートに包む効果もあるというわけです。
しかし、同時にその言葉によって、相手の神経を逆なでしてしまう危険性があり、相手を見ながらこの言葉を発するかどうかを決定する必要があります。
もし、目の前の人がそのような危険な方だと判断した場合には、「初めて聞いたフリ」を突き通すことをお勧めされています。
ただし、これにもリスクがあります。
万が一、相手が途中で「あ?この話、もしかして前にもしましたよね、、、?」と気づいてしまう場合には、逆にこの気遣いが最悪な状況を作り出してしまうことあるわけです。
その場合にはすかさず、このように言ったらどうかと提案されています。
「知っていたけど、再放送として楽しんでました。」
40年以上という長きにわたって、しゃべり倒してこられた著者の頭の中には、様々な言葉に関する成功例と失敗例があり、その中から「凝縮」されて出てくる一言はまさに、「渾身」という形容詞以外では形容しようのないものだと思いました。
著者の40年にわたる言葉と文字通り命を懸けて付き合ってきた経験からくる「渾身の一言」を惜しげもなく私たちに披露してくれている本書は本当に「渾身の一冊」だと思います。