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2040年の未来予測

2022年7月20日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回、ひろゆき氏と成毛眞氏の対談本である「考えて生きる」をご紹介しました。

その中で強烈な個性を持つお二人の意見が度々相反しつつも、見事にぴったり合ったテーマが「自分の頭できちんと考える方法」であったことはお伝えしました。

考えてみれば、お二人は分野は違えど、自分自身の考えに基づいてこの変化の激しい時代の先端を生き抜いてこられたという共通点があるわけで、その意見の一致は至極当然のことだったのかもしれません。

また、それ以外のテーマであっても、論破王で有名なひろゆき氏がところどころで相反しつつ、成毛氏の未来を予測する能力に一目も二目も置いている姿勢が印象的でした。

そんなこともあって、成毛氏が一冊丸ごと「未来予測」に費やした「2040年の未来予測」という本を積読から救出することになりました。

著者である成毛氏が高く評価するエマニュエル・トッド氏も言うように「人口動態」だけが高い精度の未来予測につながる分析要素であるわけで、一般的に未来予測は困難を極めることを著者も当然に分かっておられるわけですが、それでもあえて、「自分の頭できちんと考える方法」を駆使して、非常に幅広い分野における未来予測をしたのが本書です。

それでもおそらく、その内の多くは外れてしまうのでしょうが、その中でも非常に確証の高そうだと私が感じた分野を一つ取り上げ、引用したいと思います。

「太陽光発電が不安定であるのも、電気自動車の走行可能距離が限られているのも、全ては『電池』に問題があるから。今主流のリチウムイオン電池は電極に使う電解液が有機化合物、つまり燃える素材なので強い衝撃によって温度が上昇したり液漏れが発生すると発火や爆発につながるという安全性の問題を抱えている。この問題を解決するのが全固体電池だ。電解液の代わりに固体の物質を使うため安全性が高い上に、小さいため単純に2倍の効率性がある。だからリチウムイオンから全固体へと置き換われば、日本のエネルギー事情は一変する。太陽光発電でその地域で日中作られた電気を電気自動車自体が蓄電するV2G(ビークル・トゥ・グリッド)が可能となるからだ。これがあれば地域ごとに安定した電力の供給や調整ができるようになり、完全な脱炭素エネルギーシステムが成り立つ。しかも、この全固体電池の特許の54%は日本企業が握っている。」

著者はあとがきで次のように語っています。

「いつの時代も高齢者は将来を悲観し、若者は未来を楽観する。つまり、65歳の私が本書で言うことを全て真正面から受け止める必要はない。」

今回著者の未来予測の多くが「悲観的」なものであり、特に世界で最も早く高齢化が進む日本にとっては「超悲観的」なものでした。

ただ、この分野についてだけはそんな日本にとって「楽観的」になれる数少ない「未来予測」であり、それ以外の悲観的未来を相殺してもなお余りありそうな「希望的予測」でした。

 

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