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AI時代に必要な運の技術

2025年9月14日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

本日ご紹介する「運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった一つの武器」は、2018年とAI関連本としてはかなり古いものですが、「運」と「AI」というイメージとして対照的な組み合わせに魅力を感じ読んでみることにしました。

実際に読んでみると、「運」と「AI」を組み合わせたタイトルから想起されるイメージとはほぼ無関係に、東京大学を卒業後にTV業界に入って番組制作にかかわってきたという硬軟併せ持った経歴を持つ著者の角田陽一郎氏が、一見スピリチュアルに見られがちな「運」について、運が付きまくった芸能人たちの行動に照らして得られた洞察から明らかにしたものだということが分かりました。

(本書は2018年の出版なので、ちょうどAIが取りざたされ始めた頃で、パワーワードと無理やり組み合わせようという大人の事情が伺えますが、そんなことをしなくても十分に興味深い内容になっていました。)

以下、この著者が見出した「運を上げる仕組み」をざっくり理解できるように、本書より該当部分を要約引用します。

「開運の仕組みは論理的に説明可能です。なぜなら、運とは他人や外部環境を利用しながら自分で切り開くものだからです。困難が訪れた時、ただガムシャラに頑張るのではなく、フレキシブルな発想で自分以外のものを様々に利用してちゃっかり目的を達成する、これが開運につながる心の持ち方、物の見方、考え方です。例えば、『神頼み』でさえ、論理的に説明可能です。神頼みをするということは、『わざわざその時間、その場所に行き、神様の前で自分自身がどうなりたいのかを明確にプレゼンをする』ことで自分の中の覚悟や決心を言語化することだからです。それらのコミットメントが脳内を活性化させ、結果として目的達成に近づくと考えられるのです。」

このことは、私自身のこのブログで「言語化」することの効用について何度も取り上げてきたこともあり、完全に同意することができました。

本書には、実際にTV業界での運を味方につけて大活躍する複数の一流芸能人の実例を出して、その主張に説得力を持たせることに成功していました。

以下に文句なしでその一人である「さんま」さんの例を以下に抜き出します。

「さんまさんは自らの名前を冠した番組をいくつも大人気番組にされてきました。彼の番組作りはものすごく厳しく、その厳しさが時に『恐い』という印象を周囲に抱かせることもありました。それは自分の名前で勝負しているから。だからこそあらゆる瞬間に必死。当然、番組への理解力もコミット力も半端ではない。それがおろそかになったが最後、番組がつまらなくなり、自分の名前に傷がつく。つまり、『運を上げる』とは『自分の名前で勝負すること』。それは、あらゆる物事を『自分ごと化する』ことと同義です。」

先ほどの、神頼みにおける「わざわざその時間、その場所に行き、神様の前で自分自身がどうなりたいのかを明確にプレゼンをする」ことも、覚悟であり、決心の発露であり、つまりはコミットメント(自分ごと化)であるという点で一致しています。

私は冒頭で、AIとの関連性がタイトルにはそぐわないほど少なかったと言いますが、ちょうど前回の「AIにできることと人間にしかできないこと」の記事の中で「思考・行動までを含む主体的・対話的で深い学びの部分はあくまでも人間にしかできないこと」であるまとめたことを思い出しました。

それは、まさに「コミットメント(自分ごと化)」そのもので、図らずもその点については一致しており、著者の言う「運を上げる仕組み」は「AI時代に必要な運の技術」と言っても問題ないと思い直しました。