ほめ英語入門 #292
2022年12月23日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 ほめ英語入門
【著者】 松田佳奈 デイビッド・ヒルストン
【出版社】 アルク
【価格】 ¥1,600 + 税
【購入】 こちら
「日本人は英語が苦手」という言説に抗うサポートをするのが我々英語教育業界の存在意義ですが、これを「英語教育」という語学の側面だけで考えてしまうと片手落ちになってしまう可能性があるというのは「生活と英語の融合」を掲げながらランゲッジ・ヴィレッジを運営してきた中での確かな実感です。
言語は文化と切り離して存在できません。またその文化は生活と言い換えることもできます。
だからこそ英語教育に「生活と英語の融合」という発想を仕込んできたわけですが、そんなことを率先して行ってきた私自身、まだまだ足りないないというか、全くといっていいほど成長していないと自覚せざるを得ないのが、本書で扱われている「ほめる」という分野です。
著者は、「ほめる」ことと「英語」の密接な関係を次のように表現されています。
「日本人は、ほめることにもほめられることにもあまり慣れているとは言えません。ほめることは英語圏においてコミュニケーションの基本であり、『ほめ言葉なくして会話は成り立たない』といっても過言ではないでしょう。英語は日本語と比べて日常的に使うほめ言葉の種類がはるかに豊富。特にアメリカ人は、知らない人同士でも子供に対しても大人に対してもさらっとほめ合います。まるで息をするように。」
読み始める前は、この件に関する「日本人の問題」は日本と欧米の文化の違いによって生じていると確信していましたが、「日常的に使うほめ言葉の種類」の豊富さをこれでもかというくらい提示する本書によって、いや文化の違いとともに、やはりこれは言語(語彙)の問題でもあると考えなおさせられました。