おすすめ書籍紹介

僕はこうして日本語を覚えた #291

2022年12月13日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

【書籍名】 僕はこうして日本語を覚えた

【著者】  デーブ・スペクター

【出版社】 同文書院

【価格】  ¥1,200 + 税

【購入】    こちら

この書籍紹介ブログは英語学習に関する本を紹介するのが目的ではありますが、今回はその縛りを外して一冊の本を紹介します。

日本語を母語としてでなく外国語として学び始めた外国人で、最も高度な日本語を操ることができる人は誰かと言われたら、おそらくその上位3人には必ず入るであろう人として「デーブ・スペクター」その人があげられると思います。

実際、あのビートたけしさんをして「あいつはね、足立区の小学校出てんだよ。ランドセル背負ってるの、見たんだから」とネタにさせてしまうほどだったようです。

日本人で英語を外国語として学び始めたのに高度な英語を操る人がいたとして、その高度さがどの程度まで高いものなのかというのを判断するのは、日本語を母国語にする私たちにとってはなかなか難しいと思いますが、その逆に外国人の日本語であればその高度さを把握することはそれほど難しいことではないでしょう。

その意味で、デーブ・スペクター氏の日本語のレベルの高さは圧倒的に「最高レベル」と判断できるため、彼の「こうして日本語を覚えた」と綴る本書は私たちにとって貴重なヒントを与えてくれるはずだとの確信をもって読み始めました。

本書を読んでいく中で感じたのは、彼の日本語学習へのモチベーションの根底に日本語および日本文化に対する純粋な「興味」があったのは間違いない事実である一方で、最終的に「最高レベル」に到達するまで彼が日本語学習を継続できたことをその「興味」だけで説明するのは難しいということでした。

では何が、シカゴで生まれ育った正真正銘のアメリカ人である著者に関して「足立区立小学校卒説」が出来上がるくらいまでの高度な日本語を身につけさせるのに寄与したのかですが、私はそれは彼の「言語」に対して真摯に向き合う姿勢だと感じました。

以下、その真摯さが伝わってくる一節を引用します。

「日本人は『すごい』面白いとか言って、みんな言葉に対して無頓着だね。アメリカでは教養のない人は文法を無視してしゃべるけど、日本人は教養のある人でも間違える。要するに試験だけいい点とればいいって感じだな。」

もう何も補足説明はいらないと思います。

心から彼のこの主張に賛同し、また同時に「すごく」反省いたしました。

 

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