プレジデント 2015年4月13日号 #127
2015年11月5日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【出版社】 プレジデント社
【価格】 ¥694+ 税
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ビジネスマン向け雑誌の定番だけに基本的にはTOEIC攻略法が多く紹介されていますが、一つ非常に感銘を受けた記事がありましたのでご紹介します。
日本で唯一日本手話による教育を行う明晴学園理事長の斉藤道雄氏によると日本の聾学校は昔から「あいうえお」の発音のトレーニングを強制させることに膨大な時間を費やすことが多いそうです。
しかし、音のフィードバックを行うことができない聾者にとっては、その努力が報われない危険の大きい教育だと言います。
このことは、聾者にとって第一言語はあくまでも「手話」であり、日本語(口話)は第二言語であるにもかかわらず、第二言語を強制するようなものです。
斉藤氏は、そうではなくてまずは彼らにとっての第一言語である手話をしっかり習得させ、それが実現した後、余裕があれば第二言語である日本語(口話)に進むべきなのだと主張しています。
これは、そっくりそのまま日本人の英語教育に当てはまる考え方です。
つまり、これは幼児のうち、すなわち母語である日本語の基礎ができていないうちから英語に触れさせることにより、日本語も英語もどちらも中途半端になってしまい、深い思考の可能性を失ってしまう「セミリンガル」の問題に他なりません。
このことを改めて、又、鮮明に意識させられる記事でした。
文責:代表 秋山昌広