
面白医学英語事典 #242
2020年9月23日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 面白医学英語事典
【著者】 木村專太郎
【出版社】 花乱社
【価格】 ¥7,000 + 税
【購入】 こちら
私が留学時代に「英語力がまだまだ不十分だ」とつくづく思い知らされた経験として二つ鮮明に記憶されている場面があります。
一つは、自動車事故を起こして実況見分で警察官とやり取りをした時、それからもう一つは留学したての日本人留学生に付き添って病院に行ってその人の病状説明をしなければならなくなった時(幸いなことに自分自身は留学時代一度も病院にかかりませんでした)です。
どちらも、物理的な現象、症状を言葉で説明する必要があり、尚且つその際に「専門用語」を使うことを避けられないという外国人にとっては二つの大きなハードルが否応なく突き付けられる場面です。
英語の「専門用語」については、それが日本語のそれと比較しても(英語話者にとっても)圧倒的に難しいものであるという記事を書いたことがあります。
本書では、そのうちの後者の「専門用語」について、実際にアメリカの病院で長期間にわたって医師としての臨床経験のある著者がその豊富な経験におけるエピソードを踏まえながら解説を加えてくださっていることから、その本来的な難しさをかなり緩和してくれています。
ちなみに、本書は「英語辞典」ではなく「英語事典」です。
「辞典」は「辞(ことば)」を集めて配列し解説をしたもの。それに対して、「事典」は「事(ものごとやことがら)」を集めて配列し解説をしたものですから、普通の「医学辞典」に比べて豊富な経験におけるエピソードが多く含まれていることに納得です。
ただ、欲を言えば、本書は「英和」の機能しかなく、これに「和英」の機能も付けてくれていたらともっとよかったと思います。
特に、医師ではない私たち一般の人間とすれば、どちらかと言えば日本語で「これなんて言うのだろう」と思ったときにその対応語が知りなくなる方が多いはずだからです。
ですので、時間を見つけながら少しずつその索引部分に「日本語」を書き込みむ作業をしようと思います。