最速で身につく英語力 #243
2020年9月30日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 最速で身につく英語力
【著者】 英語教材完全ガイド2018
【出版社】 株式会社普遊舎
【価格】 ¥880 + 税
【購入】 こちら
かなり前に発行された雑誌で、このブログにて取り上げるほどのものでもないかと思っていたのですが、最近うちの子供たちが「ざんねんないきもの事典シリーズ」にハマっているのを見て、英語教材もそのようなマイナス面からの見方、薦め方も悪くはないかもと思って見直してみました。
その名も「現役教材編集者 覆面座談会 英語業界の裏トーク」というおどろおどろしい企画です。
なるほど!と思った部分を二つご紹介します。
まず一つ目は、教材と言えば「TOEIC」ということで、こちら。
「質問者:ちなみにTOEIC本のダメ著者っていたりします?
D編集者:TOEICの専門家として本を書いているのに、実はテストを二年に一回くらいしか受けてない人。○○大学教授とかすごい肩書があっても頼まないようにしています。出題傾向も年々変わってきていますから。それすら認識せず、10年前に一度だけ990点を取ったような方は、もう今は語れないし、ましてや対策本なんて書けないですよ。」
そもそも、ランゲッジ・ヴィレッジでは、TOEICの高得点取得を目的にするだけの英語学習の価値をほとんど認めていませんので、この点については正直どうでもよいと思っているのですが、ただ単純に目的論的に見てもそもそもなぜそのような人が「TOEIC」受験者を読者に想定して書籍を書こうと思ったのかということに興味があります。(笑)
そして、二つ目はこちらの指摘です。
「ダメ教材はこれだ!!(名前は出せませんが)かなり挑発的なタイトルの人気シリーズ。誤った英語表現を使うと、外国人の耳には奇異に聞こえる、、、といった内容。『英語は話してなんぼなので、この本を読むと、話すことに神経質になってしまう人が出てくるかもしれません。』しかも、本人の意志かはわかりませんが、無理やりな例も多いんですよね。」
これについては、私も前からずっと感じており、激しく共感しました。
日本人が英語を苦手とする大きな理由の一つとして「失敗を恐れるがあまり積極的になれない」ことがあげられます。
この理由だけでも取り除くことができたら、日本人の「英語下手」の国際評価が驚くほど変わるはずだと思っています。
それなのに、話す前から「こんな英語は外国人には変に聞こえる」といった話し手を躊躇させるような例をたくさん挙げられたら、より一層「英語下手」の国際評価の形成に拍車がかかるだけです。
日本人の英語の本質的な問題を理解していたら、こんな指摘は百害あって一利なしなのです。しかも、「無理やりな例も多い」とくれば、これは国賊ものです。(笑)
こんな知識は、ほとんど英語でのコミュニケーションに支障のないレベルに到達した「達人」がネイティブにより近づくために必要となるくらいで、英語を学習する日本人の99%には全く必要はありません。
このように、マイナス面からの紹介という手法が、非常に印象的に映るということを理解できたことは大きな収穫でした。