たかが英語 #15
2014年5月10日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 たかが英語
【著者】 三木谷 浩史
【出版社】 講談社
【価格】 ¥1050(税込み)
【購入】 こちら
本日紹介する本は、みなさんご存知、楽天の三木谷社長の「英語社内公用語化」に関するものです。そして、三木谷社長自身、本書を二年にわたる社内公用語化実験の「報告書」と位置づけられています。
現在、世間では、この楽天やユニクロの「英語社内公用語化」施策について、賛否両論があるというのが正直なところだと思います。
なぜ、日本人どうしで、しかも競争力の必要な仕事という場所で、あえて効率の悪い英語で話す必然性があるのか?
海外事業部などの「今そこにある必要」がある人間だけが英語を学ぶ仕組みの方がよっぽど、効率的だ。
というような、三木谷社長への反対意見の方がむしろ多いくらいかと思います。私も、この商売をやっていながら、全社員への強制というのはやりすぎというか極端だなという感想を持っていました。
しかし、この本を読んで、脱帽です。
三木谷社長のやることは全て、「主旨」がしっかりしています。
楽天は、そもそも、グローバル化は選択肢ではなく、「義務」だということからスタートしています。
そして、そのグローバル化には、会社として「英語化」を徹底することが、最も「効率的」だという仮説に基づいてこの施策を実施しているということが分かりました。
そうなると、今まで誰もがもっともだと思っていたような意見も自信を持って否定することができるようになるのです。
例えば、以下のような考え。
「英語以外では、ものすごく優秀なプログラマーやセールスマンで、なおかつ楽天を愛しているような人材を英語ができないという理由で、昇進させることができなくなるというのは組織にとって非効率極まりない」
これなども、三木谷社長は以下のような考えで、見事にいなしています。
「今後、グローバルに活躍することを義務として考えている組織である楽天の社員が、会社の中であれ外であれ、そこにいる人たちと意思疎通することができないために、楽天という組織が世界の多くのマーケットに参入していくことができないということは、彼らが「優秀」であることの前提を覆す要因に即座になってしまうことになる。」
返す言葉がありませんでした。
このグローバル化が、日本全体としてどこまでのインパクトを持っているのか、現在では見当もつきません。しかし、グローバル企業となると「決断」した企業には、セットで「英語化」がついてくるというのは確かなことだと確信しました。
文責:代表 秋山昌広