日本人と英語

脳細胞は間伐されて成長する

2022年4月10日 CATEGORY - 日本人と英語

実に二年ぶりに日本における主要ビジネス雑誌における「英語関連」の内容を特集として書籍紹介ブログにてご紹介した「プレジデント2022年4/29号」からテーマをいただいて書きたいと思います。

第一回目のテーマは「脳細胞」です。

脳細胞に関して一般に信じられているのは、「脳細胞の数は赤ちゃんの頃が最も多く、成長するに伴って減少していく」ということです。

このことが「語学学習を始めるなら若いほど有利、年齢を重ねるほど不利」という「幼児英語教育」を推奨する「大義」の根拠とされてきました。

本誌は、この「脳細胞の数は赤ちゃんの頃が最も多く、成長するに伴って減少していく」ということ自体は正しいものの、その「減少」が「脳の衰え」ではなくむしろ「脳の成長」につながるという非常に逆説的な指摘をされています。

医師でもある昭和大学客員教授でもある加藤俊徳医学博士の解説の該当部分を以下に引用します。

「脳細胞の数が減少することで一つ一つが成長できる余地が生まれ、ネットワークを広げていくことができるのです。では脳細胞は何歳ごろまで成長できるのでしょうか?栄養が供給され続ける限り一生です。脳細胞は一つ一つが決まった役割を担っています。そして役割の似通った同士が集まって存在しています。私はこれを『脳番地』と呼んで分類し、研究してきました。日常的に良く使われる脳番地の経路は太く広くなっており、高速でスムーズに処理されます。逆に普段あまり使われない毛色は細くて狭く、処理に時間と労力を使います。『英語脳をつくる』とはすなわち、英語を処理する経路を新設し、拡張していく作業に他なりません。」

ここで私が思い出したのが、林業でいうところの「間伐」という作業です。

間伐とは、森林の混み具合に応じて、樹木の一部を伐採し、残った木の成長を促す作業です。 それにより、光が地表に届くようになり、残った木がより太く立派に成長するようになるというわけです。

まさに、「脳細胞の数は赤ちゃんの頃が最も多く、成長するに伴って減少していく」という仕組みは、私たちの脳細胞を樹木に見立てた際の「間伐」に相当するものではないかと思いました。

そう考えれば、脳細胞の減少は、「脳の衰え」ではなくむしろ「脳の成長」につながるという加藤博士の主張に素直に納得することができるようになります。

この考え方に基づいて加藤博士は次のように私たち英語学習者を励ましてくれています。

「なので、40~50代の皆さんも、英語を習得するのに遅すぎることはありません。むしろ今から英語を学ぶことでこれまで使っていなかった部分を刺激し、脳を活性化させていくことができるでしょう。『英語を学びたい』と思った皆さんは、今こそ英語習得の適齢期だと考えてください。」

「人生死ぬまで勉強」は脳科学的にも十分に信頼するに足るもののようです。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆