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結果にコミットする

2015年6月17日 CATEGORY - 代表ブログ

ライザップ

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、とかく目につくコマーシャルがあります。

「結果にコミットする」で有名なライザップのCMです。

思いっきりやる気のない顔で下っ腹を突き出した(BEFORE)と満面の笑顔でくっきり割れたお腹を黒光りさせた(AFTER)という少しずるい演出(?)はありながらも、「結果にコミットする」というコピーにたがわない結果を確かに出していることをまざまざと見せつけるあれです。

この会社に関しての記事を少し前に見つけまして非常に興味深く読みました。

こちら がその記事です。

この記事によると、ライザップは、3期連続の過去最高益。昨年度の株価上昇率は440%を超え、上場企業中2番目の伸び率を記録し、時価総額は1000億円に迫る勢いだというからすさまじい躍進ぶりです。

この躍進ぶりの秘訣を聞かれた運営会社である健康コーポレーションの瀬戸健社長の言葉が非常に興味深いです。

「既存の大手ジムは場所貸しをするだけで、痩せるというゴールに到達することはないのに対し、ライザップは確実に痩せることを商品とする」

つまり、既存の大手ジムにとってのビジネスでは「痩せない程度に運動してもらい、細く長くお金を落としてくれるのが上顧客だった」ということになるようです。

しかも、秀逸なのが、このゴールの設定とともにそのゴールにたどり着くために必要な経営資源を根本から考え直すことにより、業界の常識では考えられないほどの低コスト体質を作り出すことができているということです。

「完全予約制のライザップは、大手ジムのように駅前一等地で集客しなくてもいいため、立地にこだわる必要がなく、家賃の大幅引き下げに成功した。実際、原宿のライザップ神宮前店は、最寄り駅から徒歩で10分以上離れ、大通りから一本入った目立たない雑居ビルの地下に入居している。同社資料によれば、一般的なフィットネスジムの場合、地代家賃は売上高の20%に達するが、ライザップは4%にすぎないという。しかも、マンツーマンの筋トレが基本のライザップのジムにはプールも最新式の設備も要らないため、安上がり。確かに、ライザップのトレーニング室に設置されているのは、ベンチプレスやバランスボールのような基本的な器具ばかり。それ故、売上高対比の水道光熱費の割合が、一般的なスポーツクラブの場合は10%を占めるのに対して、ライザップはわずかに1%。設備維持費も一般的なスポーツクラブが5~8%のところ、ライザップは1%と、大幅に抑制できる。」

従来型のジムが、収益の根幹を「同じ顧客から細く長くお金をとる仕組み」と定義したのに対して、ライザップは「圧倒的な結果を出すことで一人の顧客の結果を他の顧客を誘因する仕組み」にしたわけです。そして、そのために必要なのは、一等地でもなく、お金のかかる施設でもなく、ただ優秀な指導者とある程度のスペースと限定された器具ぐらいなものです。

非常に魅力的なビジネスモデルだと思います。圧倒的なパフォーマンスを、同業他社とは比較にならない低コストで実現をする。そして、その圧倒的な結果自体をマーケティングに活用する。

これはライザップが自らの提供するサービスから何を顧客が得られるのかというベネフィットを徹底的に考え抜くことと、それを実現するために絶対に必要な経営資源と、必ずしも必要でない経営資源とを仕分けし、後者を徹底して排除した結果だと思います。

実は、私たちランゲッジ・ヴィレッジも実はこれと同じような考えに基づいて10年以上前から英語業界に革命を起こしています。

土地の安い富士山のふもとだからこそ長期間滞在してもフラストレーションのたまらない広い施設を維持することができ、実際の海外留学よりも徹底した「英語環境」を作り出すことによって1~2週間という短期間に「確実に」英語を使って生活できるレベルに到達させる。

留学を目前にした学生、海外赴任を目前にしたビジネスマン、今まで細く長く英語を学習してきたけど、一向にブレークスルーしないシニア世代の方々が、確実に結果を出して次のステップに移行することができる。それによって、その人がリピーターにならなくても、その結果を知った知り合いの学生、その会社の同僚、一緒に頑張っていた学友が、リピーターとなってくださる。

しかし、最近の情報はめまぐるしいもので上記のようなライザップ絶賛の記事が出たと思ったら、その舌の根も乾かぬうちに、疑惑の 記事 も出てくるようになりました。

ランゲッジ・ヴィレッジとライザップの違いは人間の健康にかかわることかどうかという点です。いくら、顧客の求める「結果」にコミットすることで結果を出したとしても、人間にとって最も重要な「健康」を犠牲にしてしまったら元も子もありません。

現時点では、そのことの是非について判断するに足る材料が十分だと言えないので、この点について何とも言えませんが、少なくとも「結果」へのコミットメントという意味合いにおいては多くの企業が参考にすべき点が多い企業であると思います。そして、その一方で、「結果」を求めることで、大切なものを傷つけることがないかという視点で常に自らを省みるという視点も忘れてはならないことだと思います。