あなたは英語で戦えますか #111
2015年5月12日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 あなたは英語で戦えますか
【著者】 鈴木 孝夫
【出版社】 冨山房インターナショナル
【価格】 ¥1,600 + 税
【購入】 こちら
#110でご紹介した「アメリカを知るための英語、アメリカから離れるための英語」の著者鈴木孝夫氏の近著です。
#110は2003年に書かれたものであり、それからすでにかなりの歳月がすぎ、日本と英語の関係がいよいよのっぴきならない状況になってきた2011年に出版された本書には、前著と比較してより日本人と英語というテーマに危機感を持ち、またより具体的な「案」にまで踏み込んだ内容になっているように感じました。
例えばその危機感は以下のような表現にも表れているように思います。
「そういう意味での日本人の英語力の強化というのは私も絶対に必要だと思います。ただ今誰が英語ができないために日本は困っているのか、どこが足りなくて日本は損しているのか、ということの検討からまず出発すべきだと思うのです。日本国民すべてを視野に入れた英語力強化論は、それこそ百害あって一利なしです。」
続けて、
「国家的見地からの英語教育の問題というのはこのように、これまでの戦後日本の行き過ぎてしまった国民の平準化、画一化を改めて、『やっぱり俺はかなわねえ、逆立ちしてもあいつにはかなわねえ』という英語力抜群で、しかも筋金入りのエリートを日本の代表者として選ぶ、そのようなエリートを教育制度の中でどう作るかということにつながります。」
このように、著者の「案」は英語教育にメリハリをつけて、必要な人が必要なだけ深く専門的、実践的に学ぶことができる制度を確立しなければ、日本は国として存在感を維持できないというものです。
そのために、英語をイングリッシュとイングリックという二つの概念に分けて考えるというようなユニークな具体案もあり、非常に興味深いものでした。
それらについては、別個に「日本人と英語」ブログにおいて取り上げていきたいと思います。
文責:代表 秋山昌広