サバイバル英文読解 #289
2022年11月20日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 サバイバル英文読解
【著者】 関 正生
【出版社】 NHK出版新書
【価格】 ¥780 + 税
【購入】 こちら
#286「英文解体新書」と#287「ヘミングウェイで学ぶ英文法」と連続で「英文解釈」と「英文読解」に関する書籍をご紹介しました。
この二冊によって、英文を早く正確に読み文章全体の意味を把握するためには、単に「語彙」「文法」そして「語法」が分かっているだけでは限界があり、その限界を超えていくためには「受験英語」から「実用英語」への橋渡し的な学習が必要だということが分かりました。
上記の二冊は、大学で教鞭をとられる方々によって書かれていることもあって非常に深い学びを得られたわけですが、一方で、あくまでも大学受験レベルは当然クリアしているという前提の下で書かれていますのでアカデミック的に過ぎると感じられる方も少なくないような気がします(特に#286)。
その点、本書の著者は東進ハイスクールの講師を経てリクルートが運営する「スタディサプリ」の講師をされているバリバリの受験畑の方ですので、学生にはこちらの方が読みやすいかと思いました。
とはいえ、「受験英語」から「実用英語」への橋渡し的な学習が必要であって、「その限界を超えていく」という目標としては全く同じです。
その証拠に著者は本書の冒頭において以下のような頼もしい表明をされています。
「英文読解の教え方として『語彙を増やそう』という指導がありますが、それでは指導とは言えません。なぜなら語彙習得は永久に続くわけで、語彙力が完璧になることなどあり得ません。どこかで見切りをつけて、ある程度の語彙力である程度英文の意図を把握できる力をつけないと、『自分は語彙力不足なのでどうも英文を読むのが苦手だ』と一生言い続けることになってしまいます。ではどうすればいいか、それは英文の書き手のちょっとした『手の内』を知ることです。つまり本書では、英文読解の『定石』を解説していきます。定石ですから、決して安易なもの、応急処置的な方法論ではありません。英語と関わる限り、一生モノと言える読み方を体系的に示しました。新書という形をとったのはこれらの方法論が、受験のためのテクニックとしてだけでなく、汎用性が極めて高いものであることを証明するための私自身の挑戦という意味を込めたためです。(一部加筆修正)」
英文読解に関する「総まとめ」としては最適な一冊だと思います。