教養の語源英単語 #304
2023年10月8日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 教養の語源英単語
【著者】 清水 建二
【出版社】 講談社現代新書
【価格】 ¥1,000+税
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すでに#191でご紹介している「英単語の語源図鑑」シリーズの著者である清水建二氏の最新作ですが、今までのシリーズと本書では同じ「語源」をテーマにしていても趣が全く異なります。
語源図鑑シリーズでは、接頭語・語幹・接尾語に分けて分類した「辞書タイプ」の作りだったのに対して、本書はヨーロッパの歴史、特に英語に多大な影響を与えている「ラテン語」を公用語としていた「古代ローマ」のローマ神話やまたそのローマに多大な影響を与えていた「古代ギリシア」のギリシア神話を紐解きながら様々な英単語の語源を紹介する「物語タイプ」の作りになっています。
題材が神話中心なので登場人物の関係性が非常に複雑ではあるのですが、それでもかなり丁寧に書かれており、しかも語源との関連が分かりやすくなっていると思います。
ヨーロッパの歴史は一神教べったりのように思われがちですが、古代ギリシアまで遡れば、日本の古事記に出てくるような神様たちに負けず劣らず、感情むき出しの人間よりも人間っぽい神様たちがベースにあるのだということが良くわかりました。
以前にご紹介した#137「聖書を分かれば英語はもっとわかる」と同様に、英語圏の「文脈」を学ぶ良い材料になると思います。