日本人と英語

「音」でつながる世界の言語

2016年4月27日 CATEGORY - 日本人と英語

世界の言語                

 

 

 

 

 

 

 

前回に引き続き、「本当は語学が得意な日本人」に関連して、今回は具体的に言語と言語の「つながり」について見てみたいと思います。

著者は、言語同士の「つながり」について特に「音」のつながりに非常に関心を寄せています。そして、異なる言語に存在する「音」であっても、共通の「意味・イメージ」があるとしています。

例えば、日本語の「高い(takai)」「天(ten)」「頭部(toubu)」、英語の「tall」「top」「tower」など「t」の音は「高い」という様子(態)をイメージさせることで共通しているのではないかということです。

ちょっと、こじつけ(誘導)し過ぎではないかという気もしないでもありませんが、、、 ただ、そもそも言語は「音」から始まっているはずです。

これは想像でしかありませんが、語彙や文法などが形成されるずっと前は、オノマトペといわれる擬態語、擬音語がまず存在していて、そこから様々な言語の部品が派生していっているという発展の仕方をしていると考えるのは自然のような気がします。

つまり、擬態語や擬音語は、その名の通り、「ペラペラ」「ガタガタ」「ズルズル」などその様子や音自体を言語化しているわけで、物事の名前である名詞、「とる」「食べる」などの基本動詞などは、これらものもが段々と変化していったと考えても不思議はないのではないかということです。

そうなると、著者の言うように「同じ音には同じ意味がある」、または「似た音に似た意味がある」ということはあながち「こじつけ」として無視してしまうのではなく、それを活用して様々な言語を習得する時の「テコ」として使用しない手はないのではないかという気持ちにもなります。

実際には、著者もその「テコ」の活用に際しては、「音素3割、語源5割、不明2割」のイメージですべきだと言っています。

もともとは、同じような「音」からスタートしたとしても、それぞれの言語は、その発展段階で、様々な環境からの影響をうけることで、変化してわずかな関連性すら見いだせない不明なものが2割生じてしまったということでしょうか。

とはいえ、他言語間においても、音の類似性を基に関連性をもって覚えられる語彙が3割、語源をもとに関連性をもって覚えられる語彙が5割で合計8割の語彙が、何らかの関連性をもって記憶への定着に役立てられるという発想が、実際に15か国語を操ることのできるマルチリンガルである著者の主張であるということには非常に勇気づけられる気がします。

もちろん、完全に私たちの外国語習得の実践に役立たせるにはかなりハードルが高い話ではあると思いますが、半分箸休めとして、言語の壮大な来し方に思いをはせることは、非常に面白いと思いました。  

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