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「ゼロ・ポイント・フィールド」とは何か

2024年4月22日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日、中学・高校の6年間の寮生活を共にした友人と5年ぶりに会うことができて、その際に年をとればとるほど時間が経つのが速く感じるという例の「時間の不思議」の話から、「死」に関する話に発展しました。

その際に友人が勧めてくれたのが今回紹介する「死は存在しない」です。

実は彼の口からこの本のタイトルを聞いたとき、非常に大きな違和感を感じたのですが、それは彼は私とは正反対のバリバリの理系人間で、このような「生死」もしくは「死後」に関する宗教的ともとれる本を勧めてくることなど中高時代の彼からすると考えられないことだったからです。

ただ話を聞くと、著者の田坂広志氏は、原子力工学を修めた技術者・研究者であり、なおかつ「ダボス会議」のメンバーである経営者でもあるといい、本書の内容も「最先端量子科学」を前提に書かれているという、その意外性からすぐさまアマゾンでポチった次第です。

その内容は、「ゼロポイントフィールド」という今まで聞いたこともない概念についてだったのですが、著者の説明が非常に分かりやすく、まったくの文系人間である私でもページを進めるごとに理解が確実に深まっていく感覚を覚えました。

以下に、本書にて著者が主張する内容をざっくりとまとめてみたいと思います。

そもそも著者は技術者・研究者であるため唯物論(この世界の本質は『物質』であり、物はもとより精神を含めたすべての物事は全て物質の相互作用によって生まれた結果であるという考え)を前提に生きてきたと言います。

ただ、それでも世の中には物質だけでは説明のつかない「既視感(デジャヴ)」「直感」「予感」「予知」「占いの的中」などと言った不思議な出来事が起こるのですが、科学はこれらを全て「偶然」や「錯覚」によるものだとして完全に否定して、説明すること自体を拒否してきたという事実を指摘します。

ですが、現代の最先端科学である「量子物理学」による「ゼロポイントフィールド仮説」と呼ばれる考え方では、今後の研究の成果次第で、このようなことも含めて全て説明することができるようになる「可能性がある」ことを著者は本書で明らかにしています。

その考え方では、今までの「唯物論」すなわち、物質がすべてという前提理解では不十分で、この世界に物質は存在せずすべては「波動(エネルギー)」であり、私たちが質量や重量を持った物質や物体と感じるのは実は日常感覚がもたらす「錯覚」に過ぎないということが、「量子物理学」の発展によって示されつつあるというのです。

そして、それは「目に見える物質」だけでなく「目に見えない意識(精神)」をも含めたこの世の全ての物事の本質は「波動(エネルギー)」に他ならないと。

138億年前に無限のエネルギーを宿しながらも私たちの感覚からは「無」としか考えられない「量子真空」にゆらぎが生じ、それがいきなり膨張して、宇宙がはじまったというのが「ビッグバン」なわけですが、その「量子真空」内で宇宙が始まってからのすべての出来事がこの「波動」によって記述される「ゼロポイントフィールド」が存在すると言います。

「ゼロポイントフィールド」は「量子真空」から量子を生み出し、また吸収する場であり、ビッグバン後、拡張する宇宙で生じる(生み出し)あらゆる出来事を「波動」によって記録(吸収)し続けます。

つまり、私たちのこの世界でのすべての出来事は、この「波動」によって100%の「完全情報」として記録(記憶)されていくので、そこから生じる「未来」も「ほぼ確実」なものとしてあらかじめ決まっていくことになります。

この考えに従えば、先ほど現代科学が完全否定してきた「既視感(デジャヴ)」「直感」「予感」「予知」「占いの的中」などの不思議な出来事は、私たちの意識が何かの拍子にこの「ゼロポイントフィールド」とつながることで「未来」を垣間見る現象だということで説明がつきます。

さらに面白いのは、そのように「ほぼ確実」な「未来」を垣間見てしまった人は、その後の行動によってそれを別の「未来」に変えることができる可能性があるという点です。

さらに、この現実世界の私たちの意識は不安や恐怖そして妬みなどを伴った「自我意識」として存在し同時にそのすべてが記録される一方で、現実世界で肉体が滅んで「死」を迎えた後は、「超自我意識」として「ゼロポイントフィールド」でその他宇宙の全ての記録と一体化して、あらゆる不安や恐怖そして妬みなどから自由になると説明されています。

ただ、その際、死の直後は「ゼロポイントフィールド」に移行したとしても、その人の現実世界への執着度合いによって長短はあれど、それらの苦しみから自由になるのに時間がかかるということです。

これなどは、仏教の「解脱」および「天道」「人間道」「修羅道」「畜生道」「地獄道」(これらは現世での精神の状態を表しているとされる)、そして仏になるまでの一定期間としての「四十九日」といった考え方に恐ろしいくらいに似ていると思いました。

しかも、それぞれの「個」は善・悪・賢・愚に関係なくすべてが宇宙の可能性であり、最終的に宇宙の記憶として戻るという意味で、「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」という個人的に今までどうしても理解ができなかった浄土真宗の教えについての説明にもなっていると思えたのです。

最終的に、「個の意識」は宇宙(ゼロポイントフィールド)から生じ、そしてまたゼロポイントフィールド(宇宙)に還る(一体化する)という意味で「死は存在しない」というのが本書における結論ということになると思います。

ちょっと長くなってしまいましたが、以上が私が本書からくみ取った「ゼロポイントフィールド」の概要です。

今から2500年以上前に成立した「仏教」の考え方と、最先端科学である「量子物理学」の考え方が奇しくも同じような結論を導き出しているということに気づかされ、私も著者と同様に、この心の底から湧き出る感動を一人でも多くの人に伝えたいという気持ちになりました。

 

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