日本人と英語

文法を会話に結び付けるために

2017年12月10日 CATEGORY - 日本人と英語

 

◆文法を単なる記憶にしておかない

前回の【文法が絶対に必要な理由】では、英語習得の「方程式」とは、「文法をしっかり学んだ上で、それを活用して複雑なコミュニケーションのトレーニングを積むこと」だと明らかにしました。

学校英語教育が現在の文法軽視・オーラル重視に変わる前の教育を受けた日本人はよく「文法はできるけど会話はできない」ということを言いました。場合によっては、ネイティブスピーカーよりも英文法については詳しく知っていると自信を持っている人も少なくありませんでした。

ですが、それは「勘違い」だと断言できます。

それは「文法ができる」ということではなく「文法を知っている」ということに過ぎないからです。もっとはっきり言いましょう。その感覚は、文法の例外をクイズの答えのようにただ記憶していることに近いものです。

例えば、「三人称単数現在の場合はs, esをつけなければならない」という事実を頭に入れるだけで、それがコミュニケーションにおいてどのような意味を持つのかなど一切考えもしません。

また、現在完了は「have + 動詞の過去分詞」、そして動詞には不規則に過去分詞化されるものがあって、、、などということは記憶しますが、現在完了形はどういうときに使われるのか、過去形との違いは何かなど、その二つを使い分ける必要性を感じる場面に遭遇する機会も一切ありません。

かつて、文法教育に重点を置いていたことは、文法軽視・オーラル重視の現行教育に比べれば、ずいぶんマシではありますが、それだけでは明らかに不十分でした。それは、文法の「例外」を数多く知っているだけの「物知り」を育成することに終始していたといえるからです。

「文法ができる」ようにするということは、あらゆる文法項目の「原則」をコミュニケーションの必要に応じて組み合わせ、反射的に口から出るようにすることです。

そして、「原則」を自由自在に操ることができるようになったら、余力で「例外」を学べばよいのです。なぜなら、実際のコミュニケーションは90%以上が「原則」で「例外」は所詮、例外なのですから。

日本人が「会話ができるようになるための第一歩は、『本当の意味』で文法ができるようになることである」という当たり前のことを当たり前に受け止めることができるようにならなければ、いつまでたっても英語を話せるようにはなりません。

だからこそ、私たちランゲッジ・ヴィレッジは、「文法をしっかり学んだ上で、それを活用して複雑なコミュニケーションのトレーニングを積むこと」を英語習得の「方程式」と認識しているのです。

 

◆文法を会話に結び付ける方法

ランゲッジ・ヴィレッジでは、英語習得の「方程式」通りに研修を進めるため、研修開始時に英文法について十分な自信をお持ちでない方を対象に、国内留学(会話コース)を受講する前に「中学三年分の英文法を完全に血肉にする講座」として【超特急2泊コース】【快速5泊コース】の二種類の講座を提供しています。

これらの講座は、中学校にて三年間かけてもできないことを、たった2泊もしくは5泊という短期間でやってしまうという非常に高い目標を達成するために、明確に重視している点が二つあります。

まず一つ目は、すべての文法項目について必ず「理由」をつけて説明していることです。

人間は意味が分からないことを記憶することが苦手です。特に、長期にわたって記憶することは非常に苦手です。それでも、英語を受験という短期決戦で考えているのであれば、「四の五の言ってないでとにかく覚えてしまえ」ということでもなんとかなるかもしれません。

しかし、英語をコミュニケーションツールと見るのであれば、明らかに長期間記憶する必要があります。そのため、文法講座においては、受講者の中で「なぜ」と疑問が浮かぶであろうと想定される項目については、すべてその「理由」を用意するようにしています。ですから、受講者は、講座の一つ一つの項目において「そうだったのか~」という納得を得ながら進んでいくことになります。

そして、二つ目は、基本的に全20回全ての回の終了後に、その回までに習った文法項目を含んだ自分が言いたい日本語文を作って、それを英語に直すという「課題」をこなし、それを一人ずつ発表し、講師のチェックを受け、復習することです。

ここで確認していただきたいのは、「その時までに習った項目」全てを含むということです。つまり、第二回目には第一回目で習ったことも含まれ、三回目には一回目、二回目も含まれます。ですから、最終では、、ということです。

例えば、第14回目では「未来形 疑問否定 受動態 最上級 関係代名詞の目的格」という指定がなされ、これらの全ての項目を含む日本文を作成し、それを英語に直すということを行うのです。

もちろん、通常の会話では、ここまで多数の項目が詰め込まれた文章を作る必要性はほとんどないと思われます。ですが、「文法ができる」ということは、必要なら、それが当たり前にできるということであり、それが当たり前にできるようになれば会話の本番で困ることはなくなります。

このことを実現するためには、全ての回において「完璧」に理解してた上で次に進まなければなりません。ですから、完全に分かるまで「質問」をし、講師を先に進ませないという姿勢が必要になります。そうでなければ、分からないことが次から次へと雪だるま式に増えていってすぐに破たんしてしまうからです。

逆に、この姿勢をとり続ければ、最終回を終える時には自分の「言いたいこと」にすべての文法項目を即座に当てはめることができます。すなわち「会話と文法を結びつける」ことが自動的に達成されるというわけです。

当然のことですが、この二つのポイントを抑えながら講座を進めることは容易なことではありません。受講者はどんな質問や答えを出してくるか分からないわけで、どんなものが出されたとしても、講師には即座にそれを分析し、解説する能力が求められるからです。

手前みそにはなりますが、この講師力こそがランゲッジ・ヴィレッジの文法講座を、従来の日本の教育で実現することができなかった「本来あるべき文法教育」たらしめているものだと思っています。