
英語が出来ません #278
2022年8月14日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語が出来ません
【著者】 刀祢館 正明
【出版社】 KADOKAWA
【価格】 ¥1,700 + 税
【購入】 こちら
今までこのブログでは、「日本の英語教育の問題点」を指摘する書籍を数多く取り上げてきました。
それらは、私の目を通して「筋が通っている」と思える英語学者をはじめとする英語論者によるものを選りすぐってご紹介してきたものです。
本書の著者の刀祢館氏は朝日新聞の記者で、2013年~2019年まで朝日新聞の夕刊において「英語をたどって」という連載を実に7年間、全58回にわたって続けられたのみならず、その後も同紙「現場へ!ニッポン英語のいま」、朝日新聞の言論サイト「論座」、雑誌「英語教育」における「新聞記者エイゴ界を歩く」などへの連載をつづけるなど、学者としてではなく、ジャーナリストとして「日本の英語教育の問題点」をテーマを一貫して取り上げられてきた方です。
そして本書はそれらの記事を基にしながらも新たな取材を加えて加筆再構成の上書き下ろしたものです。
ということは本書は、私の目とは異なる目をもちながら、私と同等いやそれ以上に日本の英語教育に興味と情熱を持ってきた人物が、その目を通して日本の英語教育の歴史をだどりながらその問題点について考えた軌跡を余すところなく記したものだといえます。
そして、さらに興味深いことは、お互いに異なる目を通して見ていたにもかかわらず、結果的にはそのほとんどの指摘点で考えの一致を見たということです。