英語ネイティブ脳みそのつくりかた #234
2023年1月18日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語ネイティブ脳みそのつくりかた
【著者】 白川 寧々
【出版社】 大和書房
【価格】 ¥1,500 + 税
【購入】 こちら
本書の著者は次のようなプロフィールを持つ強者です。
「中国出身で6歳で日本に移住後、フェリス女学院中高での日本の英語教育に対する強烈な反感を持ちつつも、どうしても英語で世界に羽ばたきたいという自身の目標を実現するために本書で紹介されている独自のメソッド『ネイティブ・マインド』を導き出して、奨学金付きでアメリカのデューク大学に進学、卒業後KPMGでコンサルタントを経験したのちMITのMBAコース在学中に教育ビジネスを立ち上げ、MITのファンドから出資を受ける。MBA取得後、いくつもの企業・団体を創設し、官公庁、全国各地の教員、企業人、学生を巻き込みながら教育の本質的なシフトを進めるための活動に取り組む。」
以上のような経歴からも、本書は冒頭より日本の英語教育に対する非常に強烈な批判が展開されており、少々とっつきにくく感じられつつも次第に説得力を増して、最終的には100%著者の意見に同意させられました。
著者は世界で戦うための「本当の英語力」は、実際に日本の受験英語で要求されるレベルとは全く異なる高いレベル、具体的には「文法や語彙を理解する」にとどまるのではなく「理解した文法や語彙を自働構成できるようにする」ことを意味するため、一般的に日本社会では実現するのが非常に難しいからです。
本書では、「本当の英語力」を身に着けるためのメソッドである「ネイティブ・マインド」の実践について余すところなく明らかにしてくれています。
私は冒頭で100%著者の意見に同意したと書きましたが、実はこれ、私が「本当の英語力」を身に着けるという「目的」を達成させるために、「文法講座」と「国内留学」を連動させて運営するランゲッジ・ヴィレッジの英語教育の趣旨との間に大きな共通点があったからです。
具体的には、まず「文法講座」ではすべての文法項目を理解した上でそれらの組み合わせて自分の言いたいことを文章にすること、たとえそれがどのように複雑な組み合わせであったとしても確実に「1分」以内に文章を完成させることを「目的」にしています。
続いて「国内留学」は生活と英語の融合ですからその「目的」はその時その時の文脈に基づいていかようにも「会話」を成立させることです。ちなみに上記の「文法講座」において「1分」を目的に行っていたことを「0.5秒」で行うことです。
当然ですがそれこそが自然な「会話」の姿であり、それを目標にしている以上、実質的にはそのレベルには120倍もの違いがあるわけです。
おそらくですが、日本の受験英語教育における最高レベルであっても「1分」以内に文章を完成させるという「文法講座」のレベルにも届かないはずで、私も著者同様、日本の英語教育においては、そもそも「目的」の初期設定からして足りていないと認識しています。
日本の英語教育に対する批判は様々あれど、この点を鋭く指摘するのはそう多くありませんので、非常に強く共感させていただきました。