日本人と英語

主体的に「英語で英語を学ぶ」の実践

2023年1月24日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語ネイティブ脳みそのつくりかた」からテーマをいただいて書いてきましたが、第三回目の今回が最終回です。

今回は、前回ご紹介したおすすめ教材の ⑤ MIT K-12 Videosから著者が特にピックアップしてしている動画を使用して「ネイティブ・マインド」による学習の様子を実際に見てみたいと思います。

1. Input(まずは観る)

ここは普通に鑑賞して面白さを堪能して、ノートにメモを殴り書きでかまわないので取るようにする。リスニングについていけない場合には英語字幕がついているのでわからない単語を調べたり、何度も再生したりする。このように文脈を追いながら調べた単語は忘れにくい。ここでは完ぺき主義に陥らないこと。「大体こんな感じかな」というレベルで問題ない。

2. Digest(学んだことを整理する)

1.での殴り書きの内容を「他人に見せてもいい」レベルで絵や図を活用しながら整理する。その方法は必ずしもこうでなければならないというものはない。大切なのは、この動画で学んだことを伝えたいという気持ちだ。そのようにして得た気づきが創造性を育てることは科学的にも証明されている。

3. Question(もっと知りたいことを問う)

2.で作った図解ノートをよく眺め、制作者の思考回路をなぞってく。すると、もっと知りたいことが出てくる。それが「問い」だが、その問いを立てやすくするプレームワークを6つ紹介する。

①  WHY(それはなぜ?)

② IS THAT TRUE?(それは本当か?) 

③ WHAT ELSE MATTERS?(他に何か問題はあるか?) 

④ IS THERE ANY EXCEPTION?(例外はないか?) 

⑤ WHAT ELSE IS IMPORTANT?(他に何が重要か?) 

⑥ WHAT’S THE LOGIC BEHIND IT?(その背景にあるロジックは何か?)

このようにして湧いてきた「問い」を納得できるまでググってみることだ。ググるだけでもこのビデオを制作した人たちの世界が垣間見られるが、それ以上に興味を持てたなら自分で実験してみることもお勧めする。

4. Presentation(発表する・教える)

プレゼンの仕方については多くのサイトで紹介されているが、ここで一番肝となるのが「問い」を呈するところだ。プレゼンの最後に立ち上がった「問い」をリストアップしてそれについて聴衆と一緒に議論できるようにする。そうすれば聴衆から答えを与えられることもあるし、一緒に不思議がってくれるかもしれない。それはその場次第だが、これは、まとめたプレゼン内容に分かりにくい部分がないかどうかを確認するいい機会となる。

実は、この内容をまとめていて気付かされたことがあります。

それは、うちの娘の中学はIB(国際バカロレア)の認定校になっているのですが、そこで出される課題がまさに上記で書かれた内容そのものだったという事実です。

その学校では英語に限らずあらゆる教科においてそのような形をとっているので、娘は常に課題に追われており、一緒に考えてくれと言われることが多くあるのですが、その度にひしひしと感じられるのは、とにかく「学びは主体的であるべきだ」という課題出題側のメッセージです。

図らずも、本書ではこのような知的トレーニングを日常的に行うことのメリットを再確認させていただいた気がします。

 

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