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レクサスの変身

2017年3月13日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2017年3月10日)のヤフーニュースに「レクサスが売れている理由」という記事があげられていました。

レクサスは、トヨタの高級車ブランドとして、1989年にアメリカで展開が開始され、日本で展開が開始されたのは12年前の2005年でした。

アメリカでは、爆発的な人気を博しており、既存の高級車メーカーであるドイツのベンツやBMWなどにも大きな衝撃を与えたと言われています。

私は、1999年にアメリカに留学をしていますが、当時のボストンの街には、ベンツやBMWよりもレクサスマークのほうが目立っていたことをよく覚えています。

アメリカでは、そのような評価を受けたレクサスですが、欧州や本国日本では、思ったほどの結果をあげられていないというのが、最近までの評価でした。

その理由として、アメリカは歴史よりも車そのものの性能を評価をしてくれるが、欧州や日本では、高級車の要件に占める歴史の存在価値が高いからということがあげられることが多かったです。

ですが、ここのところ、4年連続で過去最高の販売実績をあげるなど日本におけるレクサスに対する評価が変わってきたというのがこのニュースでした。

記事では、レクサスが、さまざまなイベントを丁寧に行ったり、またブランドの統一化を図るべく車のコアデザインの共有化を図るなどの地道な活動を紹介していました。

その中で、レクサスのマーケティングの中心人物であるマーケティング室グループ長の宮永悦充氏の次の言葉が印象的でした。

「『このクルマを本当に愛してくれる人が買ってくれればいい』。例えば、スピンドルグリルは深海魚みたいで嫌だという人もいますが、一方、このデザインに惚れて買ってくれる人もいるのです。とりわけラグジュアリーブランドは、誰もが好きになってくれる中庸なデザインではなく、好き嫌いがはっきり出るようなものでないと駄目だと思っています。そうでないと熱狂的なファンは生まれません」

確かに、冒頭の写真を見ても分かると思いますが、BMWは、何十年も前から一目見ただけでBMWだとわかるデザインでした。ベンツもそうだと思います。

例えば、BMWにはこんな話もあります。

BMWのあの顔の部分のことを「キドニーグリル」と呼びます。「キドニー」つまり腎臓の形をしたグリルという意味です。そのことを、「ブタ鼻グリル」と言って毛嫌いする人もいるようです。

ですが、BMWはそのような意見に一切耳を傾けずに、ずっと「ブタ鼻グリル」を素敵だと思う人に向けて商売をし続けてきたのです。その積み重ねが、一目でBMWのクルマだと分かるような状況を作り出し、熱狂的なファンを作り出してきたのです。

そのことが、BMWに乗っている人の「安心」や「誇り」に繋がっていたのだと思います。

日本デビューから12年が経ち、レクサスもようやく「深海魚」デビューを果たしたということでしょうか。(笑)

日本でベンツの輸入販売が始まったのが1952年、BMWが1965年なので、日本におけるその歴史は約50年の開きがあります。

この時間の差を埋めるべく、レクサスには、誰になんと言われようとも「深海魚」にこだわりぬいて、日本でも本当の意味でのラグジュアリーブランドになっていってほしいと思います。