おすすめ書籍紹介

日本人の英語 #71

2014年8月25日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

日本人の英語

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】 日本人の英語

【著者】  マーク・ピーターセン

【出版社】 岩波新書

【価格】  ¥720 + 税

【購入】    こちら

私たちが外国人の使う日本語を聞いて感じる違和感、それと同様のものを英語ネイティブが日本人の使う英語を聞いて感じます。その違和感を英語と日本語の構成と論理の違いから、事例を多用して説明している良書です。

著者自身が英語と日本語の構造の違いから苦しんだ経験(現在も苦しんているとのこと)をもとに書かれているので、具体例が非常に分かりやすいのも特徴です。

例えば、日本製のラジオの英文取扱説明書における、おそらく「アンテナを指でつまんで引き延ばしてください。」のつもりの文章、

「Drag out an antenna, pinching it between one`s finger.」

をどのようにネイティブが感じるかを以下のように表現しています。

「アンテナを人の指一本でつまみながら引きづり出してください。」

これでも、意味が通じないわけではないのですが、非常に奇妙であることは言うまでもありません。というより、指一本ではつまむという動作は不可能であり、矛盾を起こしてさえいます。(笑)

私は日本人の英語に対する付き合い方としては、このようなことを気にしすぎて英語を発しないという態度をとるくらいであれば、奇妙だけれども、意味としては通じる英語を果敢に発して行くべきだとの立場です。ただし、一つの製品の取扱説明書として形に残ってしまうものには、もう少し気を使ったほうがいいのではとは思います。

例えば、「Drag out 」と書いてしまうのは仕方がないにしても、「between one`s finger」は「between your fingers」とするべきでしょう。しかし、これこそが、「英語と日本語の構成と論理の違い」がなせる業なのだと思います。

つまり、単数形と複数形の概念については、日本語ではとるに足らない差であっても、英語における差は圧倒的だということを、頭では分かっても、体で分かるに至るまでにはなかなかいかないという事実です。単数、複数以外にも定冠詞、不定冠詞なども同様です。

反対に、日本語にかなり熟達した外国人が「彼女は地下鉄を渋谷に乗りました。」「私は試験を取りました。」などと言ってしまうことがありますが、これなどは、日本語が、英語にない助詞を使ったり、英語と比べて細かなニュアンスの違いも動詞の語彙を変えることで表現するという構造に苦労しているという証拠なのだと思います。

これらを完全に克服することは英語と日本語の言語的距離の大きさを考えれば、絶望的な気分になるのも仕方がありません。しかし、著者がやはりこれらの違いを本書で一つ一つあげて分かりやすく解説してくれているのは、まぎれもなく著者の経験、とりわけ、失敗を繰り返し、そのたびに恥をかいてきたことがもとになっていると思われます。

やはり、間違いのない英語を習得する秘訣は、逆説的ですが、間違いを恐れずに実際に使うこと、そして実際に間違いを犯し、その修正を繰り返すことなのではないでしょうか。

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