日本人と英語

英語の迷信(数字編)

2022年2月27日 CATEGORY - 日本人と英語

前回に引き続いて「英語の迷信 エッセイ事典」の中から私が興味深いと思った英語圏の「迷信」を取り上げてみたいと思います。

今回取り上げるのは「数字」に関する迷信です。

数字に関しては、日本においても「8(八)は末広がりで縁起がいい」と言われることからも、それぞれの土地においてさまざまな解釈があることは容易に想像できます。

今回は英語圏において特に重要な「3」「7」「12」「13」の4つの数字に関する謂れをご紹介します。

①  「3」

⇒ Good or bad things come in threes.(良いことも悪いことも三度は起こる。)

「日本語でも『二度あることは三度ある』というが、英語にもほぼ同じ諺があり、『3』はその周期の到達点と解釈されているようである。古代人にとって『3』という数字は、完全数とみなされ、自然は全て3つの要素から成り立っていると考えられた。すなわち、人は肉体・地力・精神、世界は地・海・空、さらにこの世界は動物界・植物界・鉱物界の三要素から構成されているという解釈である。宗教的にも神を表す数として使われ、キリスト教における三位一体(父なる神、子なるキリスト・精霊)をはじめとし、新・旧約聖書に出てくる話には『3』を使ったものが多い。」

②  「7」

⇒ Lucky seven

「日本でも言わずと知れたラッキーセブンだが、特に宗教的色彩が濃く、聖書の中でもひときわ目立つ数である。聖書は、神の7日間にわたるこの世の創造をもって始まり(創世記:Genesis)、この世の最後の運命に関して7つの教会にあてた7つの手紙という形をとった書(ヨハネの黙示録:The Revelation to John)で終わっている。完全数である『3』とピタゴラスによって根を持つ平方数であることが発見された『4』を加えてできたのが『7』であることから、象徴的に『完全』『十全』を意味していた。このことから、一般的に幸福で安楽を呼ぶ素晴らしい働きをする数と考えられてきた。」

③ 「12」

⇒ dozen(ダース)

「西洋占星術によって用いられる12星座(牡羊座:Aries、牡牛座:Taurus、双子座:Gemini、蟹座:Cancer、獅子座:Leo、乙女座:Virgo、天秤座:Libra、蠍座:Scorpius、射手座:Sagittarius、山羊座:Capricornus、水瓶座:Aquarius、魚座:Pisces)や、1年の12か月など、1つの単位になる数である。」

④ 「13」

⇒ Friday the 13th(13日の金曜日)

「13階段と言えば断頭台を暗示し、病院やホテルによっては今なお『13』という数を使わないところがある。なぜ人々の間でこの『13』が忌み嫌われているのかということの最も一般的な裏付けは新約聖書におけるキリストの『最後の晩餐:The Last Supper』に由来する。キリストがゴルゴタの丘で磔の刑に処せられることになった前の晩に、12人の弟子たちとともに、最後の食事をとったというのがこの『最後の晩餐』だが、キリストの12使徒の一人であったユダ(Judas)がキリストを裏切ったことから、一つのテーブルで13人が食事をすると、その中の1人がその年のうちに必ず死ぬという迷信が生まれた。それ以後、人々は13人が一緒に食事をするような場合には全員が手をつないで立ち上がり、その1つの輪で、あたかも一人しかいないようにしてみせるようになった。また、キリストが磔の刑に処せられたのが13日の金曜日であったという俗説があり、『13日の金曜日』が最悪の組み合わせであると言われる。」

日本でも「4」とか「42」を「死」を連想するからと言って、部屋の番号や車のナンバーには使わず、数字が飛んでいるのを発見することが多く(最近では大分なくなりましたが)、「生活の中にいつまでも迷信を引っ張る日本は非生産的だな~」と長い間思っていました。

合理性の結晶である産業革命がおこった地である欧米では、仮にいわゆる「迷信:Superstition」のようなものは存在してはいても実生活とは区別していると信じ切っていましたが、日本と同様にこのような習わしがあったと知り、ちょっと安心したような、逆にがっかりしたような何とも言えない複雑な気持ちにさせられました。

 

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