日本人と英語

W(ダブルユー)について

2020年11月22日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにて「面白医学英語辞典」をご紹介しましたが、著者は「事典」である本書の中にいくつものコラムを書かれており、その中から一つを取り上げてそのテーマについて書いてみたいと思います。

それは「W」についてです。

まず、タイトルにもあるように「W」はUが二つ重なった「ダブルユー」であり、それが短縮されて「ダブリュー」になったとアルファベットを学ぶときに習いますので、このことを知っている人は少なくないと思います。

ただ、ではなぜこれは「U」を二つつなげるのではなく「V」を二つつなげて出来上がっているのか、そこまで追求する人は私も含めほとんどいないと思います。

冒頭に書いたように、著者は本書で様々な興味深いコラムを書かれていますが、その一つ一つが決して普通の人が立ち止まらないようなポイントで立ち止まり独特な観点から書かれています。(正直言うと理解に苦しむポイントも結構ありました。(笑))

ただ、この「W」については、私もここで立ち止まるべきだったと反省すべき重要なポイントだと思い、ここでご紹介することにしました。

「私はUは重ならず、Vの字が重なってWを形成しているのを不思議に思った。ラテン語を習ったときからアルファベットの中には、もちろんWもUの字も存在しないことも知っていた。Uの代わりにVが使われていることにも気づいていた。(このことについてはこちらの記事参照)Wが英語に最初に登場したのは7世紀であった。このころにはまだゲルマン語の影響が大きかったころである。ゲルマン語を母体とするドイツ語やオランダ語にはW(の発音)の入った言葉は多い。このWの発音を表現するために最初はUUとUを重ねて書いていた。従って、『ダブルユー』の短縮形『ダブリュー』が誕生した。一方で、ローマ語を意味するロマンス語、すなわちラテン語を母体とするイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語とフランス語には、外来語以外にはWはない。(一部加筆修正)」

う~ん、これだとWがUUとUを重ねて作られたことの理由は分かりますが、ではなぜUUがWの形になったのかは分かりません。

そこでもう少し調べてみましたら以下のような説明をネット上で見つけました。

「ヨーロッパでWの発音が登場した時にはUは母音、Vは子音に分化していたため、子音であるWの発音を表記するためにはVを活用したほうが合理的だと考え、V V→Wとなりました。Uを持たなかったラテン語の子孫であるフランス語では今でもWをドゥブルヴェ(double-v)とそのまま読まれています。」

私はやっぱり、このような語学の考古学的性格がたまらなく好きです。

 

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