日本人と英語

なぜwhyが英語習得に必要なのか

2022年4月27日 CATEGORY - 日本人と英語

英語関連書籍ではありませんが、代表ブログでご紹介した「WHYから始めよ!」から英語学習に非常に有益な情報を見つけましたので取り上げたいと思います。

その情報とは、ランゲッジ・ヴィレッジが運営する「英文法合宿」の95%(5泊)や75%(2泊)という通常では考えられない高い習得率の実現に大いに貢献しているであろう「なぜ(why)そうなるのか」へのこだわりに関する科学的根拠です。

本書は基本的にビジネスマン向けの書籍ということで、英語学習に関する直接的な解説をしているわけではなく、「WHYの重要性」について次のような事例の紹介がありました。

「消費者は企業のWHAT(商品)を買うわけではない。企業がそのWHATを売っているWHYを買う。アップルのマックやハーレーのオートバイに魅かれる人たちは、どのブランドを選べばいいかを誰かに相談する必要性など感じない。彼らは自分の選択に自信を持っており、悩むとすれば、どのマックにするか、どのハーレーにするかである。そして購入を決断してから初めて、製品の特長や利便性などを考慮に入れるが、その企業やブランドに大枚をはたいてその製品を買うという決断に揺るぎはないのだ。」

これは、人間の「決断」とそれに続く「行動」がどのような順序で行われるのが自然であるかということを表しています。

つまり、「感情」から「理性」という流れです。

それを本書では次のように詳細に説明しています。

「ホモサピエンスの脳の中で、最も新しく出現した部位は、新皮質である。新皮質は合理的で分析的な思考や言語機能を司る。一方、それよりも内側には大脳辺縁系がある。大脳辺縁系は信頼や忠誠心といった感情の機能を司る。そしてまた行動や意思決定などの機能も司るが、言語を司る能力はない。の大脳の外側(新皮質)から内側(大脳辺縁系)に向かう順番でコミュニケーションを図ると、事実や特徴など、複雑で大量な情報を相手に理解してもらう(または自分が理解する)ことはできるが、行動を起こすよう相手(または自分)を駆り立てることはできない。一方、大脳の内側(大脳辺縁系)から外側(新皮質)に向かう順番でコミュニケーションを図れば、感情から言語にうまくつながり、相手(自分)の行動を起こすことにつなげる合理的なものとなる。」

「受験は暗記だ」というように、学校教育では「なぜそうなるのか」というWHYについて学ぶことが時間の無駄として、とにかく一つでも多くの知識を頭の中に入れることが重視されてきました。

しかし、この従来のやり方は「効率性」を重視しているように見えて、実は全くの遠回りだっとということのようです。

なぜなら、そもそも霊長類が最近になってようやく獲得した「新皮質」などと比べ、「古皮質」とも呼ばれる大脳辺縁系はずっと古い歴史を持っているわけで、そのパワーは比べようもなく大きいからです。

「WHYから始める」ことは、まさにその底知れぬパワーを秘めている大脳辺縁系に働きかけることであり、そのパワーを利用した上で最近獲得した高性能のコンピューター(新皮質)を活用するという順序が自然なのであり、その逆ではないということがよく分かります。

とは言え、「なぜ(why)そうなるのか」を突き詰めるには講座を提供する側の準備とその場の対応力が圧倒的に求められるのも事実で、それが重要だと分かったとしてもそう簡単に提供できるようなものでもありません。

今後は、このような科学的根拠によって自信を深めつつ、95%(5泊)や75%(2泊)という習得率を限りなく100%に近づけるためにより一層の講座のブラッシュアップに努めていきたいと思います。

 

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