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世界最高の話し方

2023年2月19日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回ご紹介した「自分のことは話すな」は「話し方」に関する本という体をとりながら、実は「ビジネスにおける覚悟」に関する本であったことから、「話し方」の技術論としては不完全燃焼感は否めませんでした。

そこでもう一冊、純粋に「話し方」に関する本を読みましたのでご紹介します。

その一冊とは、そんな経緯からベタベタのタイトルで恐縮ですが「世界最高の話し方」です。

著者はその「劇的な話し方の改善ぶり」から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、大企業のトップや政治家を対象にプレゼン・スピーチのプライベートコーチングの世界で活躍されている岡本純子氏です。

本書で著者がまず明らかにしているのは以下の「話し方の公式」です。

「質問→聞く→質問→聞く→時々自分の話をする」

このサイクルを回すことが著者の言う「世界最高の話し方」です。

「話し方」というキーワードでたまたま選んだ一冊目が「話し方」の本という体をとりながら「自分のことは話すな」ということだったので、敢えてベタベタなタイトルを冠した本書を今度こそは「話し方の技術」を重視した本であるはずだとの確信のもと読み始め頼みも関わらず、早々にこの公式の提示ですから、唖然食らってしまったというのが正直なところです。

ですが、この公式を提示されたからこそ深く理解したことがあります。

それは、「人間は他人の話は聞きたくない」という根本的な性質を有しているという話し手にとっては絶望的な事実が存在しているということです。

この点に関する一節を本書より引用します。

「人は『自分が聞きたい情報だけ』を受け入れる生き物です。実際にブラジル人の7%は『地球は平たい』、またアメリカ人の25%が『地球の周りを太陽が回っている』と信じているという事実があり、その人たちに映像やデータなどエビデンスを見せて説得しようとしたところで、考えが変わることはありません。これは極端すぎる事例かもしれませんが、『地球温暖化など存在しない』と信じている人に対してファクトを振りかざしたところでその心は容易には動かないということを私たちは実際に経験しています。(一部加筆修正)」

著者はこのことを心理学でいうところの『確証バイアス』と呼ばれる現象だとして、人間には『自分の考えを支持する情報ばかり集め、それに反する情報を無視する』という傾向があることを前提にこの公式の最後の部分である「時々自分の話をする」ことが大切だと言っているのです。

ただ、前回の「自分のことは話すな」が「ビジネスにおける覚悟」に関する本であった一方で、本書はそのような前提を共有しながらも、その前提のもとにいかに「時々自分の話をする」のか、そこの部分を具体的にどうすべきかという「戦術」を具体的に提示してくれているという意味で、実践的理解を進めてくれました。

その意味で、前回感じたような不完全燃焼感はまったくなく、本書で提示された一つ一つの内容を積極的に採用していきたいと思っています。

 

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